米国による対ブラジル関税強化(いわゆる「関税爆弾」)および連邦最高裁判所(STF)のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事への制裁に抗議するデモが、8月1日(金)、ブラジル全国5地域にわたる11都市で行われた。 抗議活動はブラジリア、サンパウロ、ヘシーフィ、リオデジャネイロ、サウヴァドール、ポルト・アレグリ、マナウス、ベロオリゾンチなどで行われた。 首都ブラジリアでは、抗議者たちが米国大使館前でアメリカ合衆国の国旗とドナルド・トランプ大統領の人形を燃やした。 約100人が参加したこの抗議行動には、労働組合、左派政党、社会運動の活動家たちが加わった。会場の入り口は厳重な警備体制で囲まれていた。 サンパウロ市では、労働組合の中央組織がシャカラ・サント・アントニオ地区にある米国総領事館前での抗議行動を呼びかけ、若者や学生運動の団体も参加した。 デモ参加者たちは、ブラジル政府は米国政府に屈するべきではないと主張し、ドナルド・トランプ氏による内政干渉を支持してきたジャイール・ボウソナーロ前大統領の逮捕を要求した。 ブラジリア ブラジリアでの抗議行動では、「クーデター主導者・実行者に恩赦なし、独裁政権は二度とごめんだ」、「ヤンキーは去れ」、「国家主権の擁護のために」といったメッセージが書かれた横断幕が掲げらた。 学生であり全国学生連盟(UNE)の会計を務めるマテウス・ダス・ネヴィスは、Agencia Brasilに、トランプ氏の政策は、グローバル・サウス諸国、特にBRICSの議題に対する報復です。米国の行動は、国内外の極右勢力の思惑に基づいて行われていると述べた。 「この時期における社会運動の役割は、米国による度重なる対外介入の試みに対して、我が国の自己決定権を侵害する行為として告発することです。そして何よりも、抵抗し、我々ブラジルのアイデンティティが確かに存在していることを示し、国家主権を守るための闘いを今後も続けていくという意思を表明することなのです」と彼は語った。 中央統一労働者組合連邦直轄区支部執行部のワシントン・ドミンゲス・ネヴィス氏は、今回の抗議行動の目的は、この課税措置の政治的意味を国民に理解してもらうことだと述べました。 「我々は、ブラジルに対するこの攻撃が、ブラジル国民によって選ばれた連邦議員たちによって企てられていることを労働者階級に理解してもらいたいのです。これらの政治家たちは、我が国を政治的にも経済的にも損なうことを目論んでいます。だからこそ、私たちブラジル人が声を上げることが極めて重要なのです」と、彼はAgência Brasilに語った。 サンパウロ サンパウロ市では、中央統一労働者組合のダグラス・イッゾ議長は、「この動員は、ブラジルがアメリカの脅しに屈することはないというメッセージです」と述べた。 「また、ブラジル社会との対話を通じて、ボウソナーロとその家族という一部勢力が国家反逆的な行動を取っていることを告発しています。ボウソナーロ一家は、米国と連携して、ブラジル国民の利益に反する動きをしているのです」とも語った。 統一社会主義労働者党(PSTU)の幹部クラウジオ・ドニゼッチ・ドス・ヘイス氏は、Agência Brasilに対し、今回の抗議行動は、トランプ氏による課税がすべての労働者にどのような影響を及ぼすか、警告することを目的としていると語った。 「我々は、トランプによる関税爆弾を非難するだけでなく、ボウソナリズムが推進してきた一連の行為を刑事的に追及する必要があると考えています。それは、国家主権に対する真の裏切り行為であり、我々の主権を守るためにも、この追及の動きを支えていくことが重要なのです」と彼は強調した。 ドニゼッチ氏は、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領の政権が、トランプによる関税爆弾から労働者の権利を守るべきだ述べた。 「我々は、ルーラ大統領が制裁措置に対して確固たる姿勢を示し、雇用を保障し、さらに我々は、特に米国系多国籍企業による利益送金が行われないようにする必要があると考えています」と付け加えた。 その他、今回の金曜日のデモで掲げられた要求には、超富裕層に対する課税、週6日勤務・1日休みの労働スケジュール(6×1)の廃止、月収5,000レアル以下の所得層に対する所得税の免除、ブラジルとイスラエルの商業・外交関係の断絶、そして環境許可制度の規制緩和(弱体化)を促す法案(参加者たちは「環境破壊法案」と呼ぶ)への反対が含まれていた。 (記事提供/Agencia Brasil、構成/麻生雅人)