「舌打ちをしながら全力で…」“ぶつかりおじさん”恐怖の瞬間 被害女性が語る卑劣な犯行の一部始終

駅や路上など人通りの多い場所で、女性を狙ってすれ違いざまや追い越しざまに突き飛ばす“ぶつかりおじさん”の被害が相次いで報告されている。そんな中、東京ドームで行われた女性ファンが中心のイベントで、ぶつかりおじさんに遭遇したという投稿がネット上で話題を呼んでいる。周囲の人間が犯人を取り押さえたものの、突き飛ばされ頸椎捻挫などのけがを負ったという女性に、卑劣な犯行の一部始終を聞いた。 「ぶつかりおじさんに転ばされて頭を打った時に助けてくださった皆さま、犯人を捕まえてくださった皆さま、ありがとうございました。楽しい1日になるはずが申し訳ございません。連絡先を伺えず、きちんとしたお礼もできず失礼いたしました。助けてくださった方々に届きますように」 先月29日、イベント会場でぶつかりおじさんの被害に遭った女性が、助けてくれた周囲の人々への感謝の言葉をSNS上に投稿すると、1.4万件のリポスト、10万件もの“いいね”が集まるなど、大きな反響が寄せられた。女性は続く投稿で、ぶつかってきた男の氏名や住所、電話番号、勤務先といった個人情報は押さえていること、犯人は警察に行き厳重注意の念書を取ったものの、時間が遅く署までは同行できなかったため詳細は確認できていないことなどを報告。「駅や街中でなくドームの退場列にまでそのような人がいること、皆様も充分ご注意くださいませ」と注意を呼び掛けている。 被害のあった当日、女性は未成年の娘と友人2人の4人で、東京ドームで開催されたライブに参加。ライブはチケット完売の人気公演で、2か月前にチケットを取り、ずっと楽しみにしていたという。ライブ後、約4万人の観客が順番に規制退場するなか、混み合う人の流れに合わせ進んでいた女性は、突然左肩に後方からの強い衝撃を感じたと振り返る。 「振り返ると、40~50代くらいの知らない男が立っていました。嫌な予感を感じたところ、もう一度かなりの力で肩をぶつけられました。避けるスペースもなく、周りのスピードに合わせて進むしかない中で、2度も故意にぶつかってきたことに怒りを感じ、押し戻したところ、舌打ちをしながら左側から全力で突き飛ばされました」 ライブ鑑賞用にたくさんの荷物を抱えていた女性は、とっさに右手を出せず、右肩や右側頭部を地面に打ちつける形で転倒。女性はそのまま意識を失い、「大丈夫ですか」「スタッフを呼んでください」などの声で気付いたときには、3人ほどの女性に囲まれ、「頭を打っているので動かないでくださいね」「手をグーパーできますか?」「お名前言えますか?」などと声をかけられている状況で、少し離れたところでは女性数人に取り押さえられた男が「ごめんね! ごめんね! 大丈夫?」などと自身に向かって謝っている様子が確認できたという。 「娘や友人、周囲の人から聞いた話ですが、私の後ろを歩いていた娘と友人も肩をぶつけられ、私が突き飛ばされて転倒した際に、前を歩いていた友人がとっさに男の腕をつかんだそうです。私が転倒したため周囲の人だかりが開け、男はその隙に友人の手を振りほどいて逃走。娘と友人が追いかけて男を捕まえ、周囲の人全員で取り押さえたそうです。娘は恐怖と不安、大勢の方が助けてくださった安心感から泣いてしまい、近くにいた女性が『お母さん大丈夫だからね』とずっとそばにいてくださったと聞いています」 周囲のライブ鑑賞者の中には、年配者や幼い子ども、妊婦や杖をついている人もいたといい、「強い憤りを感じ、私が犯人の目の前で警察を呼びました。周囲の方が『周りを押し除けるようにして歩いている男がいるなと思っていた』『男が被害者を転倒させるのが見えた』とスタッフや警備員に証言してくれました」。その後、女性は脳神経外科と整形外科を受診、CT検査などを行った上で、頸椎捻挫(むちうち)と診断された。治療費については「第三者行為のため、現在は自費で精算していますが、もちろんすべて請求するつもりです」としている。 一連の投稿には「退場列で勢いよく歩いている男性が次男に向かってきた」「帰り道で杖をついてる女の人にぶつかってる奴がいたけど、そいつだったのかな」「この日ではないんだけど、私の相互さんも東京ドームでぶつかりおじさんを見た人がいるし、条件も似ているので、同一犯・常習犯かもです」「うちのジャンルの東京ドームの時もぶつかりおじさんが出没した」など、同様の目撃証言が多数寄せられている。 今回、男が現行犯逮捕とならなかったことについて、女性は「警察官の方々は、私の気持ちと、動かせない条件(終電や未成年の娘が一緒であることなど)を考えつつ、可能な限り丁寧に対応してくださいました。しかし、事件発生当時はあんなに目撃者もいて、相手もその場で捕まっているのに、注意だけで終わることには疑問を感じています」と話している。

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