「戦争終息」vs「ハマス壊滅」…イスラエルで100万人反戦デモ

デモは2023年10月7日にパレスチナの武装組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した時間の午前6時29分に合わせて始まった。デモはハマスに抑留された人質の家族団体が主導する全国的キャンペーンの一環として行われた。7日にイスラエル内閣がガザ地区北部主要都市ガザシティ占領計画を承認したのが導火線となった。これにより抑留された人質の命がさらに危険になったというのが被害者家族の認識だ。これ以上の軍事行動なく人質を救出するべきという要求だ。 ロイター通信によると、デモ隊はイスラエル国旗を振りながら、抑留された人質の写真を持って全国各地を行進した。一部は首都エルサレムと第2の都市テルアビブを結ぶ主要高速道路を占拠し、路上にタイヤを積んで火をつけるデモをした。主要閣僚の自宅前で人質の解放を求めるデモ隊もいた。一部のデモ隊はネタニヤフ首相の官邸に向かって行進したが、警察に阻止されて引き返した。主催側によると、テルアビブ「人質広場」にもこの日夜まで40万人以上が集まった。「ワンダーウーマン」シリーズで有名なイスラエル出身のハリウッド俳優ガル・ガドットも人質広場で家族を抱きして支持した。 主催側はこの日、デモに先立ちガザ地区に抑留中の人質マタン・ザンガウカーさんの映像も新たに公開した。イスラエル軍が入手したこの映像は数カ月前に撮影されたものと推定される。画面で断髪した姿のザンガウカーさんは「皆さんができる形で声を出してほしい」と呼びかけた。ザンガウカーさんの母エイナフさんは「あなたの最後の目が私を毎晩眠れなくする。本当に抱きしめたい」とし、イスラエル政府の無責任な対応を批判した。ロイターによると、現在50人の人質が抑留中で、約20人が生存していると推定される。 ガザ戦争が始まって以降の最大規模の反戦デモにもかかわらず、ネタニヤフ首相はガザシティ掌握に対する意志を改めて明らかにした。ネタニヤフ首相はこの日の政府会議で「ハマスを敗北させずに戦争をやめようという主張は、むしろハマスを強化させて人質の解放を遅らせ、2023年10月7日のような惨事を繰り返すことになる」という強硬な立場を明らかにした。イスラエル警察は高速道路不法占拠などを理由でこの日まで少なくとも44人のデモ隊を逮捕した。 イスラエル軍がガザシティ軍事作戦に投入する地上軍の規模が確定したという報道もあった。エルサレムポストは18日、「少なくとも8万人以上の旅団級兵力を投入してガザシティを包囲・占領し、ハマスの核心テロインフラと象徴物を完全に除去する計画が樹立された」と伝えた。 ただ、ガザシティ掌握に対する国際社会の批判を意識するように、本格的な軍事作戦の前に現地住民のための医療施設を追加で建てることを検討していると、別の現地メディアのYネットが報道した。物理的衝突に対応して大人と子どもが共に治療を受けることができる野戦病院を設立する案が上部に報告され、指揮部の承認を待っているということだ。 また、ハマス側に60日間の交戦中断、2回の人質解放などの内容が盛り込まれた新しい休戦案が仲裁国のエジプトとカタールを通じて伝えられたと、AFP通信は報じた。パレスチナのある官僚はハマス指導部内部協議、他の派閥との議論の過程を経て今回の提案が検討されると明らかにした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする