2024年のNBAファイナルMVP、ジェイレン・ブラウン(ボストン・セルティックス)の父が、殺人未遂容疑で逮捕された。 米メディア『TMZ』は、事件の詳細を報じている。ラスベガス都市圏警察によると、ブラウンの父、マーセルズ・ブラウン容疑者は8月21日(現地時間20日)、複合スポーツ公園『オール・アメリカン・パーク』の駐車場において、ユース世代のフットボールコーチであるクロス・トゥプオラと口論の末、被害者の腹部を複数回刺したとされている。 『TMZ』が入手した逮捕報告書によれば、マーセルズが助手席から降車する際、隣に停車していた被害者の車にドアが接触。被害者は外で車体の損傷を確認しようとしたが、容疑者は「ただの小さなへこみだろ、腰抜け野郎」とあしらい、その場から立ち去ろうとしたという。 マーセルズの対立的な態度により、事態は乱闘に発展。容疑者は被害者が背中を向けた瞬間、凶器を取り出して男性の背中を攻撃したことが報告されている。被害者は、右胸鎖骨部の刺し傷、腱まで達する左手の防御創、消化器の一部切除を必要とする腹部裂傷、腸の露出、手術を要する可能性がある右肋骨骨折などの重症を負っており、『TMZ』は被害者が重体であると伝えている。一方、マーセルズも逮捕後、病院で足の指の骨折、膝の擦過傷、右頬の裂傷の治療を受けた。 マーセルズは事件について、「車のドアによる傷のつけ合いが発端だった」と説明。被害者男性が拳銃を所持しており、マーセルズはこの拳銃で頭を殴られたと証言し、弁護士もマーセルズの正当防衛を主張している。また、30万ドル(約4500万円)に設定された保釈金も過大と考え、マーセルズは数日以内に保釈される見込みだと述べている。 ブラウンの父は身長約213センチ、体重約136キロの巨漢の持ち主で、以前はプロボクサーとして活躍していた。『Box Rec』の記載によれば、現役時代は“征服者以上の存在”の異名を持ち、ヘビー級を主戦場に52戦33勝18敗1分25KO。2015年にはWBU C.A.M.(中央アメリカ・カリブ)ヘビー級チャンピオン、2016年にはWBU世界ヘビー級チャンピオンに輝いており、引退後はハワイ州のボクシング委員会の理事として活動していた。 なお、関係者によれば、ジェイレンは父と疎遠で、今回の逮捕や事件についても知らされていなかったという。 文=Meiji