神戸市中央区のマンションで２０日夜、住人の会社員片山恵さん（２４）がナイフで刺されて死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された会社員谷本将志容疑者（３５）＝東京都新宿区＝が事件後、現場付近からタクシーを使って移動していたとみられることが２５日、捜査関係者への取材で分かった。兵庫県警葺合署捜査本部は、人目を避けて逃げようとした可能性を含め、詳しい足取りを調べる。 捜査関係者によると、事件直後、谷本容疑者とみられる男がマンション東側の道を北方向に向かう姿が防犯カメラに写っていた。捜査本部は複数の防犯カメラ映像をつなぐ「リレー捜査」などでこの男の行方を追い、新神戸駅から東京方面行きの新幹線に乗るまでの過程で、タクシーで移動していたことが分かったという。 容疑者は、片山さんの勤務先に近いホテルに事件の数日前から滞在。当日も宿泊予約をしていたが実際には泊まらず、事件発生から１時間以内に新幹線に乗車していた。容疑者が勤める東京の運送会社によると、１７～２１日に休暇を取っていた。 逮捕容疑は２０日午後７時２０分ごろ、神戸市中央区のマンションで、片山さんの胸などをナイフで複数回刺して殺害した疑い。谷本容疑者は調べに「殺意があったか分からないが、ナイフで腹の辺りを１回か２回くらい刺したのは間違いない」と供述。片山さんについては「全く知らない人」と話しているという。