詐欺急増、被害防止を 県警察官が心構え話す、労金田辺支店が講演会、和歌山県

和歌山県内で急増している詐欺被害を防止しようと、田辺市宝来町の近畿労働金庫田辺支店は22日、同支店利用者でつくる「ろうきん友の会いきいき倶楽部田辺支部」の会員約150人を対象にした講演会を、同市新屋敷町の紀南文化会館で開いた。県警本部生活安全企画課の石神慎吾課長補佐が、詐欺の手口や被害防止の心構えについて話した。 石神課長補佐は、電話などで親族や公共機関の職員らを名乗って被害者を信じ込ませ、金銭をだまし取る「特殊詐欺」の被害が急増していると説明。昨年は県内で134件(前年比34件増)を認知し、被害総額は約6億3千万円(約2億7千万円増)に上った。 そのうち「オレオレ詐欺」は26件(24件増)で、約2億8千万円(約2億6千万円増)の被害があった。「+(プラス)1」などの国際電話番号を利用したケースが目立っているという。 最近では、電話で警察官や検事などをかたる手口が全国で増えている。中には、ビデオ通話で警察官の制服姿で逮捕状を示す場合もあるとし「警察官がビデオ通話で取り調べなどをすることは絶対にない。お金やキャッシュカードを要求したり、個人情報を聞き出したりする電話は詐欺を疑って」と注意を呼びかけた。 特殊詐欺の被害に遭わない対策としては「接点を遮断することが効果的」と訴え、国際電話から固定電話などへの着信を止めるサービス「国際電話不取扱受付センター」の利用を呼びかけた。もし不審な電話に出た場合には「勇気を出して迷わず切って」と強調した。 著名人を装い投資に勧誘する「SNS型投資詐欺」や、恋愛感情を抱かせた上で金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」の被害分析状況も伝え、2023年以降増加傾向にあるとも報告した。 参加した60代女性は「貴重な話を聞けた。知らない番号から着信があった場合は出ないなど、日頃から詐欺には気を付けている。自分は大丈夫などと過信せずに、今後も注意を払って過ごしたい」と話した。

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