ガザ問題に揺れるマイクロソフト、FBIに支援要請-社員の抗議続く

(ブルームバーグ):米マイクロソフトがパレスチナ自治区ガザでの戦争を巡り、イスラエルとの関係を絶つよう求める社員の抗議活動への対応で苦慮している。小規模ながらも、執拗に続く社員の反発を依然として鎮圧できていない。 同社は抗議活動の追跡で米連邦捜査局(FBI)に協力を要請したほか、地元当局と連携してデモの事前抑止を図ってきた。社内メールで「ガザ」などのキーワードが含まれる投稿を監視し、抗議活動に関する投稿の一部を削除する措置を取っている。事情に詳しい社員への取材やブルームバーグが確認した社内文書から分かった。社内イベントを妨害した社員に対しては停職・解雇処分も行っている。 それでも、時に部外者も参加する形で、抗議活動は断続的に続いており、大量のメール送付や公共の場で声を上げるといったゲリラ的な様相を強めている。デモの規模はなお小さいとはいえ、雇用環境が悪化し、トランプ政権下で親パレスチナ派への締め付けが強まる中では異例だ。 先週にはマイクロソフト本社前の広場で抗議が行われ、警察の退去命令に応じなかったとして20人が逮捕された。警官がバリケードを撤去しながら逮捕・連行する間も、デモ参加者は腕を組み、幹部の名前を叫びながらマイクロソフトは戦争犯罪に加担していると訴え、抵抗を続けた。 抗議活動を主導する社員グループ「ノー・アジュール・フォー・アパルトヘイト」は、マイクロソフトがイスラエル軍にクラウドサービスの「アジュール」および人工知能(AI)技術を提供することで、民間人の死から利益を得ていると批判している。マイクロソフトはこうした疑いを否定しているが、倫理的な雇用主、国際社会の責任ある一員といった会社の評判が抗議デモによって脅かされている。 英紙ガーディアンなどはこれまで、イスラエルの軍事情報機関が数百万件に及ぶパレスチナ人の携帯電話通話を傍受し、それらのデータをマイクロソフトのサーバーに保存した上で、ガザへの爆撃対象の選定に利用していたと報道。これを受けて、マイクロソフトは今月に入り、調査を開始したと発表した。これに先立ちマイクロソフトの委託で行われた調査では、自社のソフトウエアが人命を害する目的で使用された証拠は確認されなかったとしている。

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