7月の参議院議員選挙で、自民党の候補者を当選させるため、従業員に現金を渡す約束をしたとしてパチンコ店運営会社の社長と幹部あわせて6人が逮捕された事件。 幹部らから、投票を指示する内容のメモが各地の店長に配られていたことがわかりました。 ■見返りは「残業代」3000〜4000円? 山形純菜キャスター: 自民党候補者への投票の見返りに報酬を約束したとして、パチンコ運営会社「デルパラ」の社長と幹部合わせて6人が逮捕されました。 自民党候補者だった阿部恭久氏は、全日本遊技事業協同組合連合会、つまりパチンコ業界の団体の理事長も務めています。 パチンコ業界で初のいわゆる「組織内候補」として、7月に行われた参議院議員選挙に比例代表で立候補しましたが、落選しています。 この阿部氏を巡る大規模な買収事件は、平成以降の国政選挙で最大規模の検挙人数になる見通しだといいます。 すでに逮捕された社長と幹部ら6人は、各地の店長らに対し、Web会議で阿部氏への投票を求めていました。さらに、投票を指示するメモも配られていたことが新たにわかっています。 そして、阿部氏への投票の見返りに「残業代」という名目で、3000〜4000円の支払いを約束していた疑いがあるということです。 また、投票した証明として、投票用紙の写真も撮らせていたとみられます。この写真を集約して、社長らに報告していたのではないかということです。 若狭勝弁護士によると、こういった買収容疑と被買収容疑は、どちらも「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」にあたるということです。 井上貴博キャスター: 今の時代で、こんなにわかりやすい構図の買収がまだ行われているのかと驚きます。稚拙というか、雑というか。 大和田美帆さん: 「投票用紙の写真を送れ」というのは“圧”だったのでしょうが、実際に撮っていたとしたら、証拠になってしまいますよね。 出水麻衣キャスター: 投票の見返りの3000〜4000円という金額をどう見るかは個人次第ですが、やはり金銭で買収していたというのは、民主主義を根幹から覆すことなので、あってはなりません。