東京・上野の路上で2億5000万円相当の金塊を奪おうと男性にけがをさせたとして、警視庁捜査1課は28日、中国籍で住所不定、無職、金一波(37)と、知人で住所・職業不詳、鴨井俊(37)の両被告=共に覚醒剤取締法違反で起訴=を強盗致傷容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。 再逮捕容疑は、共謀して4月10日午前10時25分ごろ、東京都台東区上野5の路上で、金塊16本を持った運搬業者の60代男性に催涙スプレーのようなものを吹きかけて転倒させるなどの暴行を加え、両脚や胸に全治2週間のけがをさせたとしている。 現場はJR御徒町駅近くの宝飾店や貴金属店が建ち並ぶエリア。捜査関係者によると、被害男性は近くの貴金属店に向かっていた。 付近の防犯カメラの映像では、両容疑者が乗ったとみられるオートバイが事件の直前に現場を通っていた。警視庁は、両容疑者が金塊が運搬されるとの情報を入手して男性を襲撃したとみて調べている。 男性は抵抗したため、両容疑者は何も奪わずに逃走したとされる。金容疑者が男性を襲った実行役、鴨井容疑者がオートバイの運転役とみられる。両容疑者と男性に面識はなかった。 両容疑者は覚醒剤を使用したなどとして5~6月に逮捕され、その後起訴されていた。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】