ライブ配信サイト「STRIPCHAT(ストリップチャット)」でわいせつな行為を配信したとして配信事務所代表らが摘発された事件で、代表の男が警視庁の調べに対し、「報酬が減らないよう、性器を露出する配信を黙認していた」と話していることが3日、警視庁への取材で分かった。 公然わいせつ容疑で逮捕されたのは、ストリップチャット専門のライブ配信事務所「Femee(フェミー)」の運営会社代表、北川雄基容疑者(28)=中央区晴海=と20~40代の配信者の女3人。全員容疑を認めている。 警視庁保安課によると、事務所には女性約180人が登録。事務所が設けたスタジオなどで配信し、報酬の1~3割を事務所側が受け取っていた。北川容疑者は1億8千万円ほどを稼いだと話しているという。 同課はストリップチャットを巡り、7月にも配信者の20代主婦ら4人を摘発していた。このうち一人は、「家族がいない時間で、自宅で稼げると思った」と話したという。捜査幹部は「配信者をSNSで募集する『闇バイト』に似た性質で、ビジネスモデルとして急成長している」と指摘。「性搾取の温床になりかねない」として、取り締まりを続けるとしている。 海外サイト、過激な要求も摘発対象に わいせつなライブ配信を巡っては、過去にも「チャットレディー」と呼ばれる配信者やサイト運営者の摘発が相次いでいる一方、SNS上には「高収入」「安心」などと勧誘する事務所などの投稿が今も多くあり、無修正の過激な配信も散見される。 ストリップチャットはキプロスの法人が運営し、月間10億人が利用するなど「世界最大級」ともいわれるアダルトサイト。配信者は視聴者のコメントや金銭を寄付する「投げ銭」に応じて下半身を見せるなどのわいせつな行為を配信しており、日本人配信者も増加傾向とされる。 インターネット問題に詳しい最所義一弁護士は、「インターネット上の配信は誰でも見れる状態にあり、お金を払えば会員になれるため、会員限定配信でも公然性は否定されない」と指摘する。サイトが海外で運営されていても、国内でわいせつ行為を行ったりデータを送信したりしている場合は、日本の刑法が適用されるという。 サイト側が風営法の届け出を行っていても、無修正で性器を露出するなどの行為はアダルトビデオなどと同様に摘発される可能性がある他、視聴者についても、コメントの要求の内容によっては教唆や幇助(ほうじょ)罪に問われる可能性があるという。