(CNN) 米フロリダ州で殺し屋2人が法学教授をつけ回し殺害してから10年あまりが経ち、この契約殺人の首謀者が裁判にかけられている。首謀者は被害者の元義母だ。 ダン・マーケルさん(当時41)は2014年、自宅ガレージで車の中にいたところ、頭部を2発撃たれ死亡した。かつてマイアミで裕福な生活を送っていたドナ・アデルソン被告(75)は、マーケルさんを殺害した罪のほか、共謀罪や殺人教唆の罪にも問われている。 ハーバード大学法学部卒のマーケルさんは、フロリダ州立大学の著名な教授だった。13年に泥沼の離婚劇を経て、幼児2人の共同親権を保持していたが、妻ウェンディさんとの間で親権争いが続いていたことが裁判文書で明らかになった。 アデルソン被告の裁判の前には、検察が「高慢な女家長」が実行したとしたこの事件で被告の息子チャールズ被告を含む4人の共謀者が有罪を言い渡されている。 アデルソン被告は無罪を主張しているが、すべての罪で有罪の判断が下れば、終身刑が科される。 弁護士は冒頭陳述で、アデルソン被告が契約殺人を計画したり、その資金を援助したりした証拠はなく、殺し屋たちに金銭を支払ったのは息子だと主張した。 検察は、アデルソン被告が息子に計画の実行を持ちかけ、10万ドル(約1500万円)超をかけた計画の資金援助を行ったことを立証しようとしている。検察は、被告が娘の醜い親権争いを含む諸問題の解決を息子に託していたと主張している。 裁判文書によると、マイアミの高級住宅に夫と暮らしていたアデルソン被告は歯科医院を家族経営しており、殺人計画を実行するだけの財力があった。 殺人を実行した殺し屋2人は16年に逮捕されたが、息子のチャールズ被告が逮捕されたのは22年、アデルソン被告が逮捕されたのは、23年11月だった。 アデルソン被告と夫は息子の有罪確定後、米国と犯罪人引渡し条約を結んでいないベトナムのビザを慌てて取得し、片道航空券を予約していたという。 なお、娘のウェンディさんと夫は起訴されていない。