「特殊なインクで調べるので郵送してください」金や金貨など1億1300万円相当被害 4人の人物が言葉巧みに男性をだましたその手口「印紙代20万円も振り込んで」 宮城

宮城県内で6月、自営業の男性が、総額1億1300万円相当をだまし取られる被害に遭った。警察は特殊詐欺事件として捜査している。男性をだますため電話をかけてきたのは合わせて4人の人物。具体的にどのような手口だったのか。 6月6日、宮城県内に住む自営業Aさん(70代)の携帯電話に着信が入る。Aさんが電話に出ると、相手は総務省の職員を名乗った。職員を名乗る人物はこう告げてAさんを動揺させた。 総務省の職員名乗る人物:「あなたの携帯電話がサイバー攻撃を受けている」 総務省の職員名乗る人物:「被害拡大を防ぐために保険に加入する必要がある」 Aさんの携帯電話にはBとCという2人の人物から電話が入ったという。話を信じたAさんは、指示された口座に複数回に渡り現金計380万円を振り込んだ。犯人グループによる手口はこれで終わりではなかった。 ■「保険金詐欺で逮捕しました」 その後、6月16日、今度は警察官を名乗る人物DからAさんのもとに電話が入る。 警察官を名乗るD:「Cを保険金詐欺で逮捕した」 警察官を名乗るDは、総務省の職員を名乗っていたCについて、保険金詐欺の犯人だったとして逮捕したと告げたのだ。もちろん、逮捕はうその話で、このDなる人物も本物の警察官ではないニセモノだ。DはさらにAさんにこう話した。 警察官名乗るD:「捜査のため、あなたの口座のお金の流れと自宅にある財産を教えてほしい」 この話を信じたAさんは、自宅で金のインゴットや金貨を所有していることをDに伝えた。すると後日、今度はDの上司を名乗るEという人物からAさんのもとに連絡が入る。 ■「特殊なインクで調べる」 Dの上司名乗るE:「自宅で保管している金のインゴットなども特殊なインクで調べる必要がある。全て指定した住所に送ってください」 6月22日、Aさんは、Eから指示された住所に金のインゴット5キログラムと金貨1.3キログラムを郵送した。さらに翌23日、Eから指示され、印紙代として指定の口座に20万円を振り込んだ。その後、Eと連絡が取れなくなったことを不審に思い、Aさんは被害に気付いた。最初の電話からわずか2週間の出来事だった。

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