大野被告、10日初公判 議員側で初、発言に注目 自民裏金事件・東京地裁

自民党派閥の政治資金パーティー収入を巡る裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた元参院議員大野泰正(66)、元政策秘書岩田佳子(62)両被告の初公判が10日、東京地裁で開かれる。 大野被告はこれまで、虚偽記載への関与を否定しており、起訴内容を否認するとみられる。 一連の事件では、東京地検特捜部が国会議員(当時)4人を含む計12人を立件し、派閥の元会計責任者2人に有罪判決が出ている。起訴された議員の公判は初めてで、法廷での発言が注目される。 起訴状によると、2人は大野被告が代表を務めていた資金管理団体「泰士会」の2018~22年分の収支報告書に、最大派閥だった「清和政策研究会」(旧安倍派)からの還流分計約5100万円を記載しなかったとされる。 大野被告は24年1月に在宅起訴され、自民党を離党した。起訴後に国会内で記者会見し、「全て事務所に任せていた。やましいことはない」と主張。今年5月には自身のブログに「潔白を証明する機会を与えられない厳しい状況にさらされている」と記し、7月の参院選には出馬しなかった。 大野被告は自民党初代副総裁を務めた大野伴睦元衆院議長を祖父に持ち、父は元運輸相、母も元参院議員という政治家一族の出身。全日空社員や岐阜県議を経て、13年の参院選で初当選し、国土交通政務官などを歴任した。 国会議員では大野被告のほか、元衆院議員池田佳隆被告(59)が計約4800万円の不記載で逮捕、起訴された。公判期日は決まっていない。谷川弥一元衆院議員(84)と堀井学元衆院議員(53)は略式起訴され、いずれも罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を受けた。 旧安倍派と「志帥会」(旧二階派)の元会計責任者2人は、一審で執行猶予付きの有罪判決が確定している。

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