東京都江東区豊洲で今夏に開業した複合施設「豊洲セイルパーク」の建設現場に忍び込み、電動工具を盗んだとして、警視庁は、中国籍で内装工の男(55)=埼玉県朝霞市=を建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕し、発表した。「思い出せない」と供述しているという。 深川署によると、逮捕容疑は3月27日早朝、豊洲セイルパーク内で建築中だったビルに侵入し、電動工具2点(時価計13万円相当)を盗んだというもの。男は近くの工事現場で複数の工具を盗んだとして、これまでに2回、建造物侵入と窃盗の容疑で逮捕されていた。 署によると、事件当時は1日に約1千人の工事関係者がセイルパーク内に出入りしており、電動工具が盗まれる被害が相次いでいた。防犯カメラの映像などから、署は、男が関係者を装って繰り返し現場に立ち入り、電動工具を盗んだ疑いがあるとみている。男の自宅の家宅捜索で、数十点の電動工具が見つかったという。 都内では現在も、数多くの再開発工事が進む。署は「現場に入る工事関係者の本人確認を可能な限り実施し、電動工具の保管も徹底してほしい」と呼びかけている。(太田原奈都乃)