2025年3月、警視庁は、2024年1年間に動物虐待検挙数が160件あり、182人が逮捕・書類送検されたと発表した。2023年よりも減少はしたものの、2020年以降、高止まりをしている状態だ。 「この数値は検挙や逮捕・書類送検されたもの……、虐待は見えないところで行われ、隠されてしまうことが多いので、この数値は氷山の一角といえるでしょう。しかも、現在の動物虐待罪はあまりに軽く、矛盾を感じる点も少なくありません」 そう語るのは、長野県松本市の繁殖事業者の事件など、動物虐待事案の告発や、動物福祉向上に関する普及啓発活動を積極的に行い、『公益財団法人動物環境・福祉協会Eva』の主宰でもある俳優の杉本彩さんだ。 Evaでは、9月20日〜26日の動物愛護週間に毎年テーマを決めて発信をしている。今年は、動物虐待の問題について伝えていこうと思った杉本さんの想いを、ブリーダーの多頭飼育崩壊で地獄の現場で生き抜いた「ぺろちゃん」の出来事とともに、寄稿いただいた。 以下より、杉本彩さんの寄稿。