台湾北部の桃園国際空港で20日朝、空港警察当局の取り締まりを逃れようとした「白タク」が暴走し、警官が発砲する騒ぎがあった。客の香港人女性が車から外に放り出されてけがをした。日本人をはじめ利用客が多い「空の玄関口」で起きた捕物劇に驚きが広がっている。 台湾メディアによると、20日午前9時(日本時間同10時)過ぎ、桃園空港第1ターミナルで営業許可を持たずに客を運ぶ「白タク」の取り締まりを行っていた空港警察が、米高級電気自動車「テスラ」に女性客を乗せようとした運転手に声をかけたところ、運転手は車を急発進させて後退。警官2人がタイヤと空に向けて計8発を発砲し、車から降りるよう運転手に要求した。運転手は警官に車から引きずり出されて、逮捕された。発砲によるけが人はなかった。 白タクの女性客は乗る途中だったとみられ、車から放り出された。他の空港利用客らに救出されたが、足にけがをしたという。 警察によると、運転手は43歳の男性。空港警察が「白タク」に関わる要注意人物として警戒していた。発砲について「運転手は車を急加速してパトカーや警官にぶつけようとしていた。女性客らへの危害を防ぐためだった」としている。 桃園空港は台湾最大の空港で、年間約4500万人(2024年)が利用する。【台北・林哲平】