新型コロナの流行初期に中国・武漢の様子を発信し、騒動挑発罪で4年間収監された元弁護士で女性人権活動家の張展氏(42)が今月、再び同罪で懲役4年の判決を受けた。中国の人権問題を扱うウェブサイト「維権網」が伝えた。張氏は昨年出所したが、3カ月後に再び拘束されていた。 張氏は「市民記者」として都市封鎖された武漢から混乱する医療現場の様子や人びとの声をSNSで発信。2020年12月に騒動挑発罪で懲役4年の判決を受け、24年5月に出所した。 同サイトなどによると、張氏はその3カ月後、拘束された別の人権活動家を支援するため甘粛省に行った後に再び拘束。同年11月に騒動挑発の疑いで逮捕された。当局は張氏がSNS上で虚偽の情報を拡散したとして起訴し、上海の裁判所が今月19日に懲役4年の判決を言い渡した。 国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」は、中国当局により張氏を含めて100人以上のジャーナリストが拘束されていると指摘。5月に発表した報道の自由度ランキングで中国は178位で、下から3番目だった。(北京=小早川遥平)