旧統一教会、動画投稿で大物政治家からの「支持」強調 団結狙いか

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が最近、系列のユーチューブチャンネルで、米国や旧ソ連の首脳経験者など世界の大物政治家が教団を支持するショート動画などを日米韓など複数の言語で、相次いで投稿している。 総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ)容疑者(82)が政治資金法違反などの疑いで特別検察に逮捕されるなど危機が深まる中で、「教団は偉大だ」と信者らに印象づけ、団結を図る狙いがあるとみられる。 「世界が認める文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子総裁 故フォード元米大統領」。こんなタイトルで22日に投稿された動画では、フォード氏が教団関連の行事で演説する様子を伝えている。教団創設者の文氏(2012年に死去)や韓総裁と面会する場面も含まれている。実際にフォード氏は1990年代、教団関連の会議で講演するなど、旧統一教会との関係があった。 文夫妻が90年にモスクワを訪問し、ゴルバチョフ氏と面会した際の動画も投稿された。このほか、北朝鮮の金日成主席との会談の様子や、米連邦上院議員、元パラグアイ大統領らが教団を支持する動画も流されている。 旧統一教会は、日米韓を中心とした多くの国の首脳や元首脳と関係を築きながら、勢力を拡大させてきた歴史がある。今回、韓総裁が逮捕された事件でも、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権の妻や側近に金品を渡し、その見返りに教団の事業などを巡って便宜を図らせた疑いがある。【ソウル福岡静哉】

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