25日、北海道恵庭市内の国道で車10台が絡む事故を起こした男が、逃走した事件。 大原麻潤記者) 「事故の当事者によると、現場に残されている茶色の車から男が出てきて、そのまま千歳方向に走って逃げたということです」。 事故現場からおよそ3キロ離れた工場の敷地内で確保され建造物侵入の疑いで現行犯逮捕されたのは、恵庭市のパート従業員 今北知宏容疑者33歳です。事故や強盗などおよそ2時間半の間に恵庭市内で相次いだ事件と、そのすべてに関わったとみられる今北容疑者の足取りが警察などへの取材でわかってきました。 最初の事故はきのう午前9時20分ごろ。恵庭市の道の駅近くにある国道36号で1台の車が前の車に追突する事故が起きました。 これはその直後、防犯カメラが捉えた映像。追突事故を起こしたとみられる車が、猛スピードで走っていきます。その後、車は信号待ちで停車していた自衛隊車両を含む8台を巻き込み2人をケガさせる事故を起こします。 追突された車の運転手) 「信号待ちの状態で停まっていた、茶色い車の後ろに。突然で衝撃。「何事か」と思ったら、茶色の車から人がおりて向こう側(千歳方面)に走っていった」、「すごい勢いで走っていったよ。慌てたっていうか、動転してただ逃げるだけの感じ」。 運転手の男は車をその場に置いたまま逃走。事故に巻き込まれた男性は乗っていた白い車で男を追いかけ、現場近くの住宅街で男を発見しました。 高橋純暉記者) 「男はこの周辺にいたところ車で追ってきた男性に見つかりました。男は男性を運転席から引きずり出して暴行を加え、車を奪って逃げたということです」。 被害にあった男性が当時の状況を語りました。 車奪われた男性) 「目を見開いて 頭から血を流して 鬼の形相みたいだった。向こうは 僕の頭をバコバコ叩くし、そのうちに倒れて (自分は)力尽きた」 男は男性から奪った車に乗り込み、近くにある恵明中学校のグラウンドに侵入。中学校によりますとグラウンドを横断してバックネットに突っ込んだということです。 男はそのまま車を乗り捨てて逃走。目撃者によりますとその後、警察が無人の車を発見しレッカーしていったということです。 目撃した人) 「台所で立ってお茶でも飲もうかなと思っていたところに、木の中に突っ込んでいたから。」、「怖いしかないですよね。どういう状況でああいうふうになっているのかと思ったし、子どもたちが外にいなくてよかった」。 車を奪われ事故を起こされた男性は憤りを隠せません。 車を奪われた男性) 「指は 剥離骨折で(全治)60日くらい。ブワーンと行った後に 音がしたから 車やばい(と思った)。」、「悲しい 人身事故だけ起こさなくてよかった」 関係者によりますと男はその後、中学校の最寄りのバス停からJR恵庭駅前までバスで移動し、運賃を支払わずに下車したとみられています。さらにその後、自転車に乗りおよそ2・5キロ離れた市内の工場敷地内まで移動。 この工場周辺できのう撮影された写真には歩道に倒れた自転車が映っています。男はこの自転車を乗り捨て自分の足でさらなる逃走を図ったとみられます。 その直後、追いかけてきた警察官によって工場の敷地内で確保された今北容疑者。最初の事故から2時間半が経っていました。 警察の調べに対し黙秘を続けているという今北容疑者。警察は今北容疑者がひき逃げ事件や車を奪う強盗事件にも関連があるとみて捜査しています。