和歌山市で2歳の長女を虐待して死亡させたとして両親が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された事件を巡り、同市の尾花正啓市長は29日の定例記者会見で「痛ましい事件で大変残念」としつつも、市の対応は適切だったとの認識を示した。 市は4カ月、10カ月、1歳6カ月、3歳の乳幼児健診を実施しているが、長女は4カ月健診を最後に健診を受けていなかった。 ただ、昨年3月に市の保健師が家庭を訪問した際の体重は7175グラムで、おおむね適正範囲内だった。同年12月の訪問でも長女の健康状態を目視で確認。母親の様子に特に気になることはなかったという。 担当者が今年1月と3月、1歳6カ月健診を受けるよう母親の携帯電話に連絡したが、応答がなかった。令和6年度の同健診の対象者は2313人で、受診率は97・6%だった。 尾花市長は「健診はあくまで協力の上で受けてもらうもので、市の対応に問題はなかった。未受診の方へのフォローは行っていきたい」と述べた。