国会議員による秘書給与詐欺事件は1990年代後半から2000年代前半に与野党で相次いで発覚し、04年に国会議員秘書給与法が改正された。 その後は長く問題化しなかったが、昨年の広瀬めぐみ元参院議員に続き2年連続で元国会議員が立件されたことで、再発防止策の実効性を問う声が強まりそうだ。 中島洋次郎元衆院議員は98年、受託収賄や約1000万円の秘書給与詐欺などで東京地検特捜部に逮捕、起訴された。一、二審で実刑となり、上告中の01年に自殺した。 00年には山本譲司元衆院議員が国から政策秘書給与約2550万円を詐取したとして逮捕、起訴され、一審で実刑判決を受けた。控訴したが、その後に取り下げて確定した。 03年には警視庁が詐欺容疑で辻元清美元衆院議員=現参院議員=を逮捕(有罪確定)。同年には坂井隆憲元衆院議員が政治資金規正法違反(虚偽記載)罪と秘書給与約2400万円を詐取した罪で起訴され、実刑判決を受けた。 04年には約1700万円の秘書給与詐取容疑で愛知県警が元自治相の佐藤観樹元衆院議員を逮捕。一、二審で実刑となり、確定した。 相次ぐ事件を受け、国会議員が秘書に寄付を要求する行為の禁止や、給与の本人への直接支給などを盛り込んだ改正法が04年に成立した。 しかしそれから20年を経た昨年、広瀬元参院議員が公設第1秘書の男性の妻を公設第2秘書として雇ったように装った給与詐取疑惑が浮上し、東京地検特捜部が在宅起訴。一審で執行猶予付き有罪判決を受け、確定した。 同様の事件が後を絶たない背景について、ある検察幹部は「(秘書給与は)定期的に入ってきて、使いやすい裏金になる。うまみがあるのだろう」と推し量った。