トヨタ自動車の高級車アルファード1台などを盗んだとして、神奈川県警、警視庁、千葉県警合同捜査本部などは2日、窃盗容疑でいずれも住所不定、無職の伊藤正之(50)、本間友希(47)=窃盗罪で起訴=の両容疑者を逮捕したと発表した。伊藤容疑者は「わからない」と容疑を否認し、本間容疑者は容疑を認めているという。 神奈川県警によると、本間容疑者は「20台以上盗んだ」と供述しており、県警は2人を含む窃盗グループが昨年以降、関東で多数の自動車の窃盗に関与したとみて調べる。 逮捕容疑は、共謀し、6月10日未明、千葉県流山市の駐車場でアルファード1台など(時価合計約500万円相当)を盗んだというもの。 車は4日後に横浜市内の立体駐車場型コインパーキングで見つかった。同県警は、目立ちにくいコインパーキングにいったん駐車することで、車がGPSなどで追跡されていないかを確認していたとみている。 車には盗難防止のハンドルロックがついていたが切断されており、ナンバーは盗難車と特定されないよう一部が改造されていたという。県警捜査3課は「車の異常を検知するとアラーム音が鳴るシステムを導入するなど、総合的な防犯対策が必要だ」と注意を呼びかける。 神奈川県内では自動車盗難の被害が相次いでいる。捜査3課によると、24年は536件だったが、今年は9月末までですでに583件(被害総額約16億円相当)と昨年1年間を上回った。24年10月以降は、違法に車のシステムに侵入してエンジンを始動させる装置「CANインベーダー」を用いた高級自動車盗が急増。県警などが、特定のグループが関与しているとみて捜査を進めていた。(稲葉有紗)