仏、ロシア「影の船団」を臨検 2人逮捕 不審ドローンに関与か

【AFP=時事】フランス検察は1日、ロシアと関係のある石油タンカーの船長を名乗る乗組員ら2人を拘束したと発表した。データによると、このタンカーは先月北欧デンマークに不審なドローンが飛来した時、同国沖にいたという。 AFPが分析した船舶追跡データによると、西アフリカ・ベナン船籍の「ボラカイ」号は、欧米の対ロシア制裁を回避して同国産原油を輸送する「影の船団」の一隻として欧州連合(EU)のブラックリストに記載されており、9月22日から25日までデンマーク沖に停泊していた。 9月22日以降、デンマーク全土、特に軍事施設の上空でドローンが目撃されており、複数の空港が一時閉鎖され、3日まで民間ドローンの飛行が全面禁止となった。 AFP記者によると、ボラカイ号は1日時点で、フランス西部沖に停泊しており、甲板にはフランス軍関係者がいたという。 ブレストのステファン・ケレンベルガー検事は同日その後、船長と一等航海士を名乗る乗組員2人を拘束したと述べた。 匿名を条件に取材に応じた軍関係者はAFPに対し、軍は9月27日に軍関係者が乗船したと語り、政府関係者も認めた。 ■フランス、ロシア船を捜査 エマニュエル・マクロン大統領は1日、フランスがボラカイ号を「重大犯罪」の疑いで捜査していると述べた。 だが、デンマークでのドローン飛行との関連に関する報道については、確認を控えた。 マクロン氏はデンマークの首都コペンハーゲンで開催された欧州連合(EU)首脳会議で記者団に対し、「乗組員による非常に重大な犯罪行為があったため、現在の司法手続きは正当化される」と述べた。 2007年に建造され、「プシュパ」や「キワラ」といった名称でも知られるボラカイ号は、フランス西部のサンナゼール沖に数日間停泊している。 専門ウェブサイト「ザ・マリタイム・エグゼクティブ」によると、全長244メートルのボラカイ号は、9月にデンマークの航空交通を混乱させた不審なドローン飛行に関与した疑いがある。 同サイトは、ボラカイ号と他の船舶が、発射台またはおとりとして使われた可能性があると指摘している。 だが、こうした主張について問われると、マクロン氏は、ボラカイ号とドローン飛行との関連性を証明するのは自分の仕事ではないため、「引き続き非常に慎重に行動する」と述べた。 今回のフランスの作戦は、「影の船団」を阻止する欧州の取り組みの重要性を浮き彫りにした。【翻訳編集】 AFPBB News

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