和歌山2歳児虐待、死亡2カ月前からエスカレートか 容疑の両親供述

当時2歳の長女に暴行などの虐待を加えて治療を受けさせずに死亡させたとして、両親が保護責任者遺棄致死容疑で和歌山県警に逮捕された事件で、長女が死亡する約2カ月前から虐待がエスカレートしたと両親が説明していることが、捜査関係者への取材でわかった。 関係者への聴取などから、県警もそのころから虐待が激化したとみて経緯を詳しく調べている。 県警によると、死亡したのは平流菜(るな)ちゃん。 父親で建設業の平晴流(はる)容疑者(26)と、母親で無職の菜々美容疑者(26)=いずれも和歌山県紀の川市=は昨年秋ごろから今年7月上旬、和歌山市内の当時の自宅で流菜ちゃんに暴行を加え、適切な治療を受けさせずに7月10日に外傷性ショックで死亡させた疑いがある。 事件は同日朝、菜々美容疑者から「子どもが息をしていない」と110番通報があり、発覚した。 司法解剖の結果、流菜ちゃんにはあごに2センチの傷と骨折のほか内臓損傷、顔や頭に皮下出血があった。 あごの傷について菜々美容疑者は「背中を押して自宅の床に打ち付けたときにできた」と供述。晴流容疑者も「たたいたりなぐったりした」と述べているという。 捜査関係者によると、両容疑者は県警の調べに対し、流菜ちゃんが亡くなる約2カ月前の5月ごろから「虐待をエスカレートさせた」という趣旨の供述をしているという。 関係者への聴取や遺体の状況などから県警も、暴行や十分な食事を与えないといった両容疑者の虐待がそのころから激しくなり、流菜ちゃんの衰弱がいっそう進んだとみている。 流菜ちゃんの死亡時の体重は標準のおよそ半分の6キロ程度だったが、5月上旬に流菜ちゃんに会ったという親族は取材に対し、「やせておらず元気だった」と証言した。両容疑者は「虐待を疑われるかもしれず病院に連れて行かなかった」と供述しているという。

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