東京都渋谷区は2日、今年のハロウィーン期間中の迷惑行為防止に向けた対策を発表した。路上飲酒禁止エリアの周知や通行規制、酒類販売の自粛要請といった従来の対策に加え、仮装して訪れる外国人の増加を踏まえ、新たに多言語でのマナー啓発を行う。 渋谷区は渋谷駅周辺区域に訪れる人々による路上飲酒・喫煙やゴミのポイ捨て、通行妨害などの行為を「迷惑ハロウィーン」と規定。今月中旬以降、街頭の大型ビジョンなどで日本語と英語だけでなく、中国語や韓国語でもルール順守を呼びかける。 区はハロウィーン本番となる10月31日夜から翌11月1日早朝にかけて、渋谷駅周辺に警備員約125人を投入。警察とも連携し、監視を強める。また25、30、31日の3日間にわたり、延べ約90人の区職員が路上販売や客引き行為などに対する指導に当たる。 渋谷駅前のハチ公像も、人の密集を回避し、像自体を保護するため、30日午前6時から囲いで覆う。 民間企業にも協力を依頼。30日午後5時から11月1日午前5時までの間、道玄坂や宇田川町などで、電動キックボードのシェアリングサービス「LUUP(ループ)」の貸し出し、返却を行う「ポート」の利用を停止する。路上飲酒制限区域内外の58店舗に、酒類の販売自粛を要請する。 渋谷のセンター街では平成30年10月、ハロウィーンを前に、酒に酔った若者らが軽トラックを横転させ、逮捕者が出る事件が発生。区は令和元年6月、ハロウィーン期間中や年末年始に渋谷駅周辺で夜間の路上飲酒を禁止する条例を制定した。ただ、迷惑路上飲酒が常態化し、ゴミや騒音トラブルも深刻化したことから条例を改正。昨年10月以降、エリアを拡大し、路上飲酒を通年で禁止した。 長谷部健区長は2日の記者会見で、親子が参加する表参道でのハロウィーンパレードを紹介しつつ、「ハロウィーン自体を否定しているわけではない。あえて言えば、いいハロウィーンとよくないハロウィーンを分けて訴えていくことが大切だ」と述べ、「迷惑ハロウィーンをする方は来ないでほしい」と強調した。(原川貴郎) ◇