お笑いコンビ、爆笑問題の太田光(60)の妻で芸能事務所、タイタンの太田光代社長(61)が8日に月刊誌「文藝春秋」の連載をまとめた書籍「社長問題!私のお笑い繁盛記」(税込み1650円)を出版する。タイタンを創業してから32年。社長業の悲喜こもごもをつづったもので、取材では今年のオンラインカジノ問題や過去の薬物事件などを振り返りながら危機管理の鉄則を明かした。(ペン・山内倫貴、カメラ・佐藤徳昭) 新刊の表紙はタイトルのほかに「爆笑問題、ウエストランド、トラブルだらけの30年」の文字。 「『だらけ』じゃないですから。30年トラブルだけだったら大変ですよ」と笑う太田社長は、率直な発言で〝炎上〟することが多い太田光の対応で大変だったことを聞かれると、「その都度大変。どれが一番かといわれても…分からない」と即答した。 1993年にタレントから転身してタイタンを創業。当時、太田とはすでに結婚しており、爆笑問題が太田プロダクションから独立後に立ち上げた。社員は20人超、タレントは100人以上が所属。コミュニケーションスクール「タイタンの学校」の理事長も務めるなど多忙な日々を過ごす。 トラブルの対応で鉄則は「言えることは全部言う」。直近のトラブルではオンラインカジノ問題について言及した。 芸人やスポーツ選手らの利用が発覚する中、3月にタレントを含めた108人に実施した内部調査の結果を公表。4人の利用が判明し、捜査協力のため弁護士と自主的に出頭した。2人は書類送検後に不起訴処分、2人は送検に至らず、再発防止でコンプライアンス研修などを徹底している。 事務所の運営では「臭いものにふたをしたくない」と透明性を重視。一方で、オンカジの国内利用経験者は推計で約337万人、賭け金の総額は年間約1兆2423億円にのぼると知り、「利用者が人生を投げちゃうとか、そうならなければいいなとも思っていて。見せしめではなく、自首したらこうなりますよというケースを示したかった」と公表した別の理由も明かした。 2014年には元マネジャーが覚醒剤事件で逮捕。当時はタレント、社員に薬物検査を呼びかけたところ全員が同意し、結果は陰性だったことも公表した。「社員に薬物検査を提案するなんて、社長としては葛藤ですよ。ただ、もしかしたらこの人もやっているかもと、社員同士が信用できなくなる可能性もあったので」と明かした。