死んだはずの被害者が“生きていた”…? 謎が謎を呼ぶ遺体なき「無尽蔵」殺人事件 被告はなぜ有罪となったのか

1982年、日本橋三越での「古代ペルシア秘宝展」に出品された品が贋作だらけだったことから発覚した「無尽蔵殺人事件」。同展の展示品の仕入れ元のひとつと目された池袋の骨董品店「無尽蔵」店主の川田実さん(仮名=当時55=)が失踪していたことが判明し、店員だった森本茂也(仮名=当時29=)が殺人容疑で逮捕されたのだ。森本は、“手当”をもらい、川田さんと性的交渉を持っていた。それに関するトラブルが殺害の動機だと自供したが、公判になると、一転否認に転じた。また、「遺体を捨てた」と供述した川崎市の京浜運河からも、一向に死体は見つからない。さらに公判では、検察側の立証を根本から覆す重大証言が相次いだのだ。 【前後編の後編】 【高橋ユキ/ノンフィクションライター】 ***

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