住友系列4社「暴力あれば取引停止も」 愛媛県の新居浜太鼓祭り巡り

15日から愛媛県新居浜市内で始まる新居浜太鼓祭りについて、市内に拠点を置く住友系列4社が、グループ会社や取引先の従業員が祭りで危険行為をした場合、工場への入場禁止や取引停止を検討するという文書を送っていたことがわかった。新居浜署が、太鼓台同士の衝突や暴力行為が起きないよう社員への指導と管理徹底を要請したことに応えた。 4社は住友金属鉱山と住友化学、住友重機械工業、住友共同電力。新居浜署は8月末に署長名で「新居浜太鼓祭りにおける危険行為の禁止に関する要請」と題した文書を、この4社のほか商工会議所など計約20社・団体に送った。この中で「例年、一部において太鼓台同士の鉢合わせや乱闘といったいわゆる『けんか祭り』と称される危険行為が発生している」とし、「社員や構成員等が参加する場合、事前に十分な指導を行い、責任ある行動を徹底してください」と求めた。また、乱闘などの危険行為が発生した場合、現行犯逮捕を含む厳正な法執行を行うとしている。 この要請を受け住友系列4社は9月初め、それぞれのグループ会社や取引先などに文書を送付。従業員や取引先に対し、危険行為の禁止について周知と厳守を求めたうえで「違反行為等が確認された場合、入構禁止や取引停止も含めた厳正な措置を検討する」と伝えた。 住友系列4社の関係者の一人は取材に「みんなで協力して暴力のない楽しいお祭りにしましょうというための文書。罰を与えることが目的ではない」と話した。 新居浜市によると、中小を含め市内には4千数百社があり、うち少なくとも数百社が住友系列企業と取引があるとみられるという。 市南部にある別子銅山は1691(元禄4)年から住友家に採掘が認められ、1973年に閉山されるまで約65万トンの銅を産出。住友財閥のいしずえを築いたとされる。(堀江泰史)

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