2度の誤認逮捕で「うその事実認めてでも外に……」 賠償求めた男性

SNSで知人女性を脅したなどとして大阪府警に二度にわたり誤認逮捕されたとして、20代の男性会社員が府と国、女性らに計約2千万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が15日、大阪地裁であった。男性は「捜査を尽くせば自分が犯人でないことは容易に認識できた」と訴えた一方、被告側は請求棄却を求めた。 「警察は私の言い分をまったく調べようとしなかった。再逮捕されたときは絶望し、うその事実を認めて早く外に出たいとまで思い詰めた。証拠を集めるという最低限のことをしてほしかった」。男性の意見陳述を代理人の秋田真志弁護士が代読した。 勾留中に家族の結婚式が延期となった。押収された携帯電話やパソコンはしばらく返ってこず、人間関係にも影響が出たという。「経緯を明らかにし、ずさんな捜査による誤認逮捕が二度と起きないようにしてほしい」 秋田弁護士も「警察、検察は謝罪はしたが、取り調べでの暴言を認めておらず、真摯(しんし)に反省しているとは考えられない。これでは同様の誤認逮捕が繰り返される」と意見を述べた。 訴状で男性は、2023年4月に脅迫などの容疑で守口署に逮捕され、アリバイを説明しても警察官から「ポリグラフ鑑定は真っ黒だ」などと言われたと指摘。女性の性的な画像をその友人に送ったとしてリベンジポルノ防止法違反の疑いで再逮捕され、違法な拘束が42日間に及んだと訴え、慰謝料などを求めた。 府警は7月に誤認逮捕だったと発表し、男性に謝罪。その後、女性の気を引こうと男性になりすました元美容師が脅迫などの罪で起訴され、有罪判決が確定している。(遠藤美波)

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