農業給水バルブ、公園の蛇口…金属盗難相次ぐ 24年から茨城で急増

水田に農業用水を入れるための金属製の給水バルブや公園などの水道の蛇口の盗難が今年も県内で相次いでいる。茨城県警捜査3課によると、2023年までは年間20~40件台だった被害は24年に149件と一気に増加。今年1~9月は既に101件(暫定値)に上っており、前年同期とほぼ同じペースで発生している。近年の金属価格の高騰が被害拡大の要因とみられる。 捜査3課によると、バルブや蛇口の盗難被害は21年46件、22年36件、23年22件だったが、24年は前年の約7倍に。バルブや蛇口に使われている真ちゅう製の部品は高値で売れるため、転売する目的で人目のつかない水田などで犯行に及んでいるとみられる。 ◇43件の窃盗容疑で2人逮捕 逮捕されたケースもある。鹿嶋署などは16日、給水バルブや自動販売機の現金などを盗んだとして神栖市の土木作業員の男性2人を窃盗容疑で逮捕、送検したと発表。被害は県内や千葉県で計43件、総額約178万4000円に上った。 鹿嶋署によると、2人はいずれも神栖市堀割1の土木作業員、網中一起受刑者(30)=窃盗罪で懲役2年4カ月が確定=と、佐藤由羽貴(ゆうき)被告(36)=同罪で起訴。2024年2月~25年5月ごろ、県内や千葉県で自動販売機の現金や給水バルブなどを盗んだとされる。被害の内訳は自動販売機30件、バルブ10件など。バルブは行方や鹿嶋、石岡、稲敷、阿見の5市町の水田などから盗んだという。 2人は同僚。容疑を認めており、「簡単に金が手に入ると思った」などと供述し、生活費などに使ったという。【井手一樹】

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