患者に薬を投与し5年前に性的暴行の疑い、医師を逮捕 容疑を否認

患者の女性に薬剤のようなものを投与して抵抗できない状態にし、性的暴行を加えたとして、兵庫県警は22日、神戸市東灘区西岡本2丁目の医師、瀬尾達(わたる)容疑者(63)を準強制性交の疑いで逮捕し、発表した。 瀬尾容疑者は「今は思い出せません」と容疑を否認しているという。 尼崎南署によると、逮捕容疑は2020年11月19日、当時院長を務めていた同県尼崎市内のクリニックで、28歳だった患者の女性に薬剤のようなものを投与し、抵抗できない状態にして性的暴行を加えたというもの。 県警は今年7月、尼崎市内の薬局に侵入し糖尿病治療薬を盗んだとして、瀬尾容疑者を建造物侵入と窃盗の容疑で逮捕していた。 瀬尾容疑者の自宅の家宅捜索や関係者などへの聞き取りから、今回の容疑が浮上したという。 尼崎市教育委員会によると、瀬尾容疑者は今年8月4日まで市立小学校の校医も担当していた。 性犯罪をめぐっては、23年の刑法改正で、強制性交罪と準強制性交罪が、性的同意に主眼を置いた不同意性交罪に変わった。 被害者の抵抗が「著しく困難」でなければ成立しないと解釈されていたが、暴行、脅迫や恐怖・驚愕(きょうがく)、地位利用など8項目の要因で、被害者が同意しない意志を形成したり表明したりするのが困難な状態にさせ、性的行為に及んだ場合に罰する。 今回の行為は刑法改正前のため、準強制性交の容疑で逮捕した。(原野百々恵)

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