女3人が女性用下着に純金8キロを縫い付け密輸 指示役の男が逮捕後に見せた不敵な眼差し

車の後部座席に乗せられ、警察署に入っていく男は、カメラのフラッシュを浴びても、一切動揺することなく、不敵な眼差しを向けていた。その一方で、同様に署に入っていく女たちは、顔を撮られまいと、顔を横に向けたり伏せたりと必死だった──。 10月20日、警視庁西新井署は、職業不詳、西村昌盛容疑者(34)と、同じく職業不詳、大坪美香容疑者(30)ら実行役の女性3人を関税法違反などの疑いで逮捕した。女性3人は’24年7月、砂状の純金計8kg(時価約9871万円)を女性用下着であるブラトップやショーツに縫い付けられたポケットに隠して、香港から羽田空港に密輸。消費税987万円の支払いを逃れようとした疑いがもたれている。4人とも容疑を認めているという。 「警視庁によると、西村容疑者が指示役で、大坪容疑者ら女性3人が実行役。女性らはポケット付きのブラトップとショーツを着用し、8kgの砂金を33袋に分けて、1人が11袋ずつ身につけていました。見た目の不自然さに羽田空港の税関職員が気づき、衣服の上から触って判明したそうです。大坪容疑者は調べに対し、女性1人あたり15万円の報酬が約束されていたと供述しているようです」(全国紙社会部記者) 金密輸事件といえば、10月10日に大阪府警が、格闘技大会の金ダルと偽って純金3.5キロを密輸入しようとしたとして、韓国籍の格闘家ら男5人を逮捕し、男女3人を書類送検したばかり。容疑者らは、金を輸入した際にかかる消費税など約800万円の支払いを逃れ、消費税込みの価格で売却し、利益を得る目的だったとみられている。 金価格の高騰により、ここ数年、金密輸の検挙数が増える傾向にある。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。 「金の価格が高騰していることもあり、彼らの犯罪がどんどんエスカレートしています。金の密輸件数は、増えたというよりはこれまでもたくさんありました。捕まってなかっただけなんです。多くの犯罪者は、一度に運ぶ量は500gとか、ポケットに入れられるくらいで密輸していたんです。ちなみに純金のネックレスが大きいもので400gくらいで、ひと月に何度も何度も出国、入国を繰り返し、密輸しています。でも、面倒臭いし、どうしても目立ってしまい、税関の目に触れる機会が多くなるので、危険が伴います。 それで、一度に大量に運んで楽をして儲けようと欲をかく犯罪者が出てくる。逮捕された連中はそういった集団です。そうなると、税関も、入国の際の見た目の不自然さに気づくわけです。金メダルをぶら下げたままで入国したり、11kgもの砂金を下着に装着していたら、どう見ても不自然ですよね」 ’20年の金価格は7000円前後(’20年10月22日1g7174円)だったが、それが金価格高騰により(’25年10月22日現在1g2万1629円)、金密輸犯罪に手を染める素人が増えたことも、検挙率増加につながっているという。小川氏が続ける。 「400gであれば800万円以上の価値があります。それを売れば消費税分80万円が丸々利益になる。それを何度か繰り返せば十分儲けが出るのに、一度で莫大な利益を得たいということで、こういった無理をする輩が出るようになったのでしょう。今回はそれを組織的にやっている。おそらく、税関を舐めていたのでしょう。 税関は今、金の密輸に対して狙いを定めて集中的に行っています。税関が見れば、不自然な格好や動き、荷物から必ずわかります。税金申告をしていない金を持っていれば、現行犯で一発アウトです」 これを機に、金密輸犯罪の減少を期待したい。

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