逮捕の警部補「数年前から情報を伝えていた」 大阪府警口座漏えい

大阪府警羽曳野署の警部補が不正な捜査手続きで入手した情報をOBの行政書士に漏えいしていたとされる事件で、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された警部補が府警の調べに、「数年前からOBに依頼されて情報を伝えていた」などと説明していることが23日、捜査関係者への取材で判明した。府警は警部補が情報漏えいを繰り返していた可能性があるとみて、詳しい経緯を調べている。 捜査関係者によると、羽曳野署の警部補、草川亮央(あきお)容疑者(56)は羽曳野署の刑事課に所属していた今年2月、OBで行政書士の道沢正克容疑者(68)=地公法違反(そそのかし)容疑で逮捕=から依頼を受け、第三者の法人や法人代表の銀行口座の情報を渡したとされる。草川容疑者は容疑を認め、道沢容疑者は「そそのかしたという言葉が納得いかない」と容疑を一部否認している。 情報漏えいの疑いは1月に浮上し、府警が捜査を開始。草川容疑者は府警から任意で事情を聴かれた際、こうした情報提供を「数年前から続けていた」と話し、漏えいを認めたという。府警は以前から漏えいが繰り返されていた疑いがあるとみており、2人が違法な情報の受け渡しを始めたいきさつを捜査している。 2人は大規模な汚職事件などを手がける府警本部捜査2課時代の同僚で、道沢容疑者が退職した後も交流が続いていたとされる。 草川容疑者は捜査に必要な情報の提供を金融機関や自治体に求める手続き「捜査関係事項照会」を悪用していたとみられる。 実際の事件捜査の手続きを装い、道沢容疑者から頼まれた情報を得るために虚偽の書類を作って照会をしていた疑いがある。府警は草川容疑者が過去に行った照会に不審な点がなかったか調査を進めている。【木島諒子、斉藤朋恵】

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