警視庁は、器物損壊容疑で現行犯逮捕した30代くらいの男性が死亡したと10日に発表した。警察署に連れて行った後、手続き中に男性が突然呼吸をしなくなり、病院に搬送したという。現時点で死因は不明といい、同庁は、署員の対応について「現時点で問題は確認されていないが調査を徹底する」としている。 警視庁によると、9日午後5時半ごろ、東京都豊島区西池袋1丁目の路上で「タクシーを殴っている人がいる」と、目撃者が近くの交番に知らせた。署員が駆けつけたところ、30代くらいの男性がタクシーのフロントガラスをたたいていたといい、器物損壊容疑で男性を現行犯逮捕した。 池袋署に連れて行こうとした際に、男性が暴れたため、制圧用のビニールシート(約170センチ四方)を男性の体に巻き、パトカーに乗せた。署には午後5時50分ごろに到着。シートを取り、事情を聴き始めてから約20分後に椅子から崩れ落ちたという。男性は呼吸をしておらず、搬送先の病院で死亡が確認された。 警視庁関係者によると、男性はつじつまの合わない話をしていたほか、これまでの捜査で、違法薬物を使用していた疑いが確認されているという。 男性は身分証を持っていなかったといい、警視庁は男性の身元確認も進める。同庁は「ご冥福をお祈りするとともに、死亡原因などについて調査を徹底したい」としている。(藤田大道)