失踪後に金銭トラブル浮上…なかやまきんに君から800万円だまし取った元マネージャーの〝余罪〟

警官に促され、険しい表情で歩く男──。 お笑い芸人・なかやまきんに君(46)が代表をつとめる『株式会社333(ササミ)』から現金800万円をだまし取った詐欺の疑いで警視庁に逮捕された元マネージャーの飯尾雄一容疑者(51)。8月13日に送検されるときの様子だ。 「飯尾容疑者は昨年4月、『自分が運営する洋服の通販サイトの事業でお金が必要なので貸してほしい』ときんに君に持ちかけてお金をだまし取った容疑です。その後、きんに君が返済の催促をすると飯尾容疑者と連絡が取れなくなってしまったため、昨年6月に警察に被害届を出したそうです。警察の調べでは飯尾容疑者が通販サイトを経営していた実態はなかったとのこと。 飯尾容疑者は取り調べに対して黙秘していますが、警察では余罪があるとみて捜査を進めています」 きんに君と飯尾容疑者は10年ほど前に知り合い、’22年に独立したときに飯尾容疑者が連絡をしてきたことがきっかけで、マネージャーをつとめていた。今回の逮捕を受けてきんに君は「信頼していた元スタッフがこのような行為に及んだことに僕自身大変ショックを受けております」とコメントしている。 警察が今後追及するという「余罪」とは、昨年8月に『週刊文春』が報じていた株式会社333で金銭トラブルが多発していたという問題だろう。 記事では、同社の〝裏金疑惑〟と〝投資詐欺疑惑〟について報じていた。前者は同社が複数の会社と実態のない契約を結び、お金を振り込んだ後に大半をキックバックのような形で戻させて節税のための〝裏金作り〟をしていたのではないかというもの。後者は、マネージャーの飯尾容疑者が「きんに君プロデュースのプロテインを製造する」などの名目で、複数の出資者からお金を集めていたというものだ。 「〝裏金作り〟のために株式会社333から複数の会社に振り込まれたお金は、記事によれば合計3760万円。しかし、きんに君は当時の文春の取材に対して、振り込んだお金は『契約として支払ったもので戻ってきていません』と答えています。お金の行方は、この件を主導していた飯尾容疑者がカギを握っているとみられています。 〝投資詐欺〟のほうは、飯尾容疑者が出資者に高額の利息を払うという約束でお金を出資させていたようです。飯尾容疑者は『きんに君も承知している』と説明していたそうで、多くの人が信用して話に乗りました。出資者の数は10人、出資額も3億円を超えていたようです。昨年5月に飯尾容疑者が突然、失踪したことからこれらのトラブルが浮上しました。飯尾容疑者が過去にも投資詐欺のようなトラブルを起こしていたことも報じられています」(芸能記者) ◆密な関係ゆえに大きな金銭トラブルが起きやすい 芸能リポーターの城下尊之氏は、個人事務所のタレントとマネージャーの関係について次のように話す。 「大物タレントになればなるほど、お金のことはすべてマネージャーに任せて、いくら入ってきていくら払ったか分からない人が多いです。それだけの信頼関係あってのことですが、金銭トラブルも少なくありません。1999年にマリアンさんがヘアヌード写真集を出して話題になりましたが、そのとき稼いだお金は当時のマネージャーに持ち逃げされたために、ほとんど残らなかったそうです。 また、タレント本人のために使ったお金でも、公にはできない理由があったためにタレントの親族から使途不明金だと責められて、クビになってしまったマネージャーのケースも知っています。第三者が立ち入ることのできない密な関係だけに、お金のトラブルが起きると大きな問題になりやすいのです」 ’22年に吉本興業から独立したことをきっかけに、きんに君は大きくブレイクした。YouTube登録者数は271万人、CM契約も20社以上で、月給30~40万円だった吉本時代から、今や年収は2億超えともいわれている。それだけ多忙であれば、すべてを把握するのは難しかったのかもしれない。それにくわえて飯尾容疑者の〝やり口〟も巧妙だったようだ。 「今回、飯尾容疑者が逮捕されるきっかけとなった800万円の借金以前にも、きんに君は彼にお金を貸したことが何度かあったようで、そのときはすぐに返ってきたそうです。マネージャーという立場上の信頼と『すぐ返す』という約束の2つにくわえて、これまでは返済したという実績があったために、きんに君も信用してお金を出してしまったのでしょう。 安心材料を複数そろえてお金を出させるのは、詐欺師の典型的なスキーム。『通販サイトの事業でお金が少し足りない』というのも、非常にもっともらしくて、お金を出しやすい理由です。やはり飯尾容疑者には最初から悪意があったのではないでしょうか」(事件ライター) 明るく健康的なキャラクターが子供からお年寄りまで多くの人に支持され大ブレイクしたきんに君。今回の事件でお金だけでなく、そのイメージも失ってしまうことがないかが心配だ。

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