京都市伏見区の自宅で昨年4月、同居する妻を包丁で刺して殺害したとして、殺人罪に問われた無職の男の被告(83)の裁判員裁判初公判が10日、京都地裁(大寄淳裁判長)であり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。 検察側は冒頭陳述で、被告は妻=当時(77)=と2人暮らしで、2人ともデイサービスなどの福祉支援を受けていたと指摘。事件前に部屋の温度を巡って口論となり、腹を立てて殺害を決意しており、刑事責任能力の著しい低下はなかったとした。 被告は事件直後に自身の腹を刺して110番し、治療後に逮捕された。精神鑑定で「レビー小体病を伴う軽度認知障害」と診断されたという。 弁護側は、認知障害で刑事責任能力が低下し心神耗弱の状態だったと主張。統合失調症を患う妻の介護に疲れ、心中を図ったと説明した。 起訴状によると、昨年4月8日午前4時半ごろ、伏見区にある自宅の集合住宅で妻の腹に包丁を突き刺し、出血性ショックで死亡させたとしている。