メルケル氏やショルツ氏ら政治家殺害を計画、男逮捕 ドイツ

【AFP=時事】ドイツ警察は10日夜、アンゲラ・メルケル元首相とオラフ・ショルツ前首相を含む政治家の殺害をダークネット上で呼び掛けた容疑で男を西部ドルトムントで逮捕した。司法筋が11日、明らかにした。 検察の声明によると、逮捕されたのはドイツとポーランドの二重国籍を持つマルティン・S容疑者(49)。 捜査関係者はAFPに対し、容疑者は単独犯だが、右派陰謀論に基づく社会運動とつながりがあり、メルケル氏とショルツ氏も標的リストに含まれていたと語った。 検察によると、容疑者は6月以降、公人や政府高官への攻撃を匿名で呼び掛けていたとされる。 容疑者はまた、爆発装置の作り方の説明書を公開し、殺害の「報奨金」用の資金として仮想通貨での寄付を募っていた。 検察は、容疑者が「自身が宣告した死刑判決」や「標的の個人情報」を投稿していたと述べた。 容疑者は、テロ資金供与や国家を危険にさらすことを目的とした暴力扇動などの容疑で捜査を受けている。 シュピーゲル・オンラインは、容疑者が「暗殺政治」と名付けたウェブサイトに、裁判官や検察官を含む20人の標的をリストアップしていたと報じた。同サイトには、新型コロナウイルス感染症に関連するものも含め、極右コンテンツや陰謀論が掲載されていた。 ドイツ当局は、「帝国臣民」または「ライヒスビュルガー」として知られる右派陰謀論に基づく社会運動への取り締まりを強化している。 ドイツ連邦共和国の正当性を否定するこの運動は長らく不満分子や変わり者として軽視されてきたが、過激化を強め、ドイツ当局から安全保障上の脅威と見なされている。 2022年には、元連邦議会議員や元兵士を含むグループのメンバーが、議会を襲撃し、政府を転覆させ、貴族で実業家のハインリヒ13世ロイス公を国家元首に据える陰謀を企てたとして逮捕された。【翻訳編集】 AFPBB News

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