教職員による性暴力が後を絶たない中、神奈川県教育委員会は今夏から、元刑事が「捜査のリアル」を伝える動画を使った研修を始めた。不祥事防止のため、事件化した際にどんな影響が教職員自身や周囲に及ぶかを実感し「自分ごと」として捉えてもらうのが狙いだ。(共同通信=小島佳祐) 90分の動画は「元刑事が教える『その一線、越えたら終わり』~“先生”ではなく“容疑者”と呼ばれる日~」。3部構成で、1部は実際に起きた買春や盗撮といった事件や、刑事罰や懲戒免職などの手続きを紹介している。2部は児童生徒と親しく付き合ううちに関係性を誤認して性暴力へと陥る過程や、SNSやスマートフォンの普及で被害者とのやりとりが簡単に記録されるようになった現状を学習。3部は家宅捜索や事件報道などによる自身や家族、職場への影響が説明される。 警察出身者らでつくる「日本刑事技術協会」が制作を担当。実際に捜査に携わった元刑事が「(児童生徒は)笑顔かもしれないが、先生との関係を悪くするわけにいかないと子どもながらに思っている」と語る場面も収められている。