2025年5月、愛知県田原市の自宅で祖父母を殺害したとして家庭裁判所に送致されていた少年(16)について、名古屋家庭裁判所は検察官に送り返す「逆送」を決めました。 5月9日午前2時ごろ、田原市の自宅で就寝中の70代の祖父母を包丁で刺して殺害した疑いで、少年(16)が逮捕されました。この事件を巡り、名古屋地方検察庁岡崎支部が6月から10月にかけて、少年の刑事責任能力を調べるため鑑定留置を実施。その後、10月に少年を殺人の非行内容で名古屋家庭裁判所に送致していました。 名古屋家庭裁判所は「いずれも強い殺意に基づく一定の計画性を持った、残忍非道で極めて悪質な犯行。二人の命を奪ったという結果はいうまでもなく甚大で取返しがつかないうえ、犯行後の情況も良くないのであって、犯情は極めて重い」などと指摘。そのうえで「16歳という年齢や従前保護処分歴がなく、一般非行性がみられないといった少年に有利な事情を最大限に考慮しても、社会的責任を大きく減じることを許容し得る事情は見いだしがたい」などとして、11月19日に少年に対し刑事処分が妥当として検察官に送り返す「逆送」を決定しました。