市議会から2度の不信任決議を受けて失職した静岡県伊東市の田久保真紀前市長が“出直し選”への出馬を正式表明し、19日に市内で記者会見した。 田久保氏は冒頭「田久保真紀でございます。本日はお忙しい中お集まりをいただきまして誠にありがとうございます。まずはこの度、市長就任直後に『広報いとう』に私の誤った学歴が記載されたことに端を発して、市民の皆様、関係者の皆様には多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことにつきまして、改めまして深くお詫びを申し上げたいと思います。誠に申し訳ございませんでした」と立ち上がって頭を下げた。 出馬を決めた理由については「市長退任後、市民の皆様のご意見、もちろん厳しいご意見もあり、励ましのご意見もあり、そういったことを聞く中で、自身がこの先この町の未来についてどう向き合っていくのか考えてきた。結果、他の候補者の方、今回はたくさんの立候補があるということで、そちらの政策も拝見した。『華やかな政策が並ぶな』という感想があるが、今本当にこの街に必要なこと、この街に多く山積する課題について、もっとシビアな目線で政策提言、議論を重ねていくべきではないかと思っている。そういったことも含め、この先の伊東の街の未来についてもう一度お任せいただけるのであれば伊東の市長選にチャレンジをしていきたいと思い、本日ご報告の場とさせていただいた」と説明。 田久保氏が市長に就任する前から反対していたメガソーラーについては「訴訟の場では正念場を迎えている」として「このまま伊東市が訴訟に敗訴して、必要な許可が全て揃い、事業が前に進む、または、事業が前に進まないまでも、例えば転売される中で事業の行方が分からなくなるようなことになってはいけない」と述べた。 その後、質疑応答となり、記者から「他の候補者にはない、自身にしかない強み」を問われると「メンタルの強さと市民の皆さんの先頭に立って私自らが戦う首長として決断し戦う姿勢」と答えた。 さらに「卒業できなかった東洋大学に再入学する考えはあるか?」と問われると「ご提案を何人かの方にいただいたが、残念ながらこれからやらなければいけない課題の量を考えると、なかなか再入学をするというのはだいぶ先の話になると思う。だが、学びの場は大変重要なことでもあるので、人生の中の一つの事案として考えていきたい」と述べた。 記者が田久保氏の机の上に設置されたスマートフォンについて「今は生配信中か?」と確認すると「これは前にも話題になったが、自分の記録用で自分の発言を後から見直すために撮っている。今のところこれで配信したということはないが、今後はこの中から切り取って配信したり、ライブ配信の方は記者会見をというより自分の方でチャンネルを再開して配信していきたいと思っている」と答えた。 さらに記者から「(卒業証書19.2秒が)流行語大賞にノミネートされた。“タクボるタクボン”の缶バッジを付けてくるという約束があったが、なぜ、きょう付けてこなかったのか?」と問われると「きょうは付けてこなかった、すみません。流行語大賞のことについては、ご質問をいただくが、正直、私としてはどう対処して良いのか非常にわからない。流行語大賞の行方はわからないので、まずは経過については静かに見守っていきたい」と答えた。 伊東市の市長選は12月7日告示、14日投開票。 伊東市長選挙には田久保氏のほかに、新人と元職の5人がすでに出馬を表明している。また、元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕されたNHK党・党首の立花孝志容疑者も逮捕前に立候補の意思を明らかにしている。 (ABEMA NEWS)