金の延べ棒を密輸したなどとして、警視庁は関税法違反(無許可輸入)や消費税法違反などの疑いで、職業不詳の館野仁容疑者(53)=千葉県習志野市=と、会社役員の桜井純容疑者(45)=同県市川市=を逮捕した。20日、捜査関係者への取材で分かった。売却総量は計約1トン(約108億円相当)に上り、輸入時に必要な10億円ほどの納税を免れ、利益を得ていた可能性があるとみて捜査している。 捜査関係者によると、2人は昨年8月、何者かと共謀し、それぞれ韓国から羽田空港行きの飛行機に乗り、館野容疑者は金4キロ(約4600万円相当)の持ち込みを申告せずに消費税など約460万円の支払いを免れ、桜井容疑者も金9キロ(約1億400万円相当)を密輸しようとした疑いが持たれている。 容疑者らは令和5年以降、日本と韓国を200回以上往復。金は「安全資産」と呼ばれ、価格高騰が続いており、警視庁は、容疑者らが韓国内の人物から金を受け取って密輸し、東京都台東区内の貴金属買い取り店などで売却することを繰り返し、利益を得ていたとみて捜査している。