反トランプ、反ICE(移民・関税執行局)を掲げた全米各地の抗議デモの現場で、カエルやユニコーンの着ぐるみを着た抗議者の姿が目立っている。 まるでコスプレ大会のようだが、活動家らによれば、これは「戦略的おふざけ(tactical frivolity)」と呼ばれる、ユーモアと不条理を武器にした、古くて新しい抗議のかたちだという。 英誌「エコノミスト」は、この潮流を「ポートランドのカエルたち」として紹介している。 発端は、米オレゴン州ポートランドのICE施設前で、カエルの着ぐるみを着た抗議者が、警官に催眠スプレーを吹きかけられる映像だった。その様子はソーシャルメディアで拡散され、カエルは「暴力的な左派」という政権側のレッテルを逆手に取る象徴となった。 その後、同地ではユニコーンやウーパールーパーなど、空気で膨らむ動物のエア・コスチュームを身につけた人々が集まるようになり、やがてその動きはトランプ政権に抗議する全米各地での「No Kings(王はいらない)」デモへと広がっていった。