「今すぐ夫を返してほしい」大津の死亡ひき逃げ事件、被害者の妻が涙ながらに訴え

「今すぐ夫を返してほしい」。大津市小関町の市道で22日早朝に同市三井寺町のイベント業、松原真路(しんじ)さん(60)が車にはねられ、死亡したひき逃げ事件。通夜を控えた25日午前、憔悴(しょうすい)しきった松原さんの妻は涙ながらに訴えた。 事件は22日午前6時10分ごろ、通行人の110番で発覚した。松原さんが路上で頭から血を流して倒れているのが見つかり、病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。死因は心損傷と大動脈損傷だった。 滋賀県警大津署は現場の状況からひき逃げとみて捜査。防犯カメラなどから同時間帯に走行していたタクシーを割り出し、過失運転致死と道交法違反(ひき逃げなど)の容疑で、同市萱野浦のタクシー運転手、甲斐秀徳容疑者(59)を逮捕した。 大津署の調べに対し、甲斐容疑者は「人と衝突する事故を起こしたとは思っていない。縁石など硬いものに引っ掛けたと思っていた」といい、「(警察に)届けないといけないことはわかっていたが、客が待っていたので早く行かないといけないと思った」と容疑を一部否認しているという。同署は、引き続き調べを進めるとしている。 松原さんがひき逃げされたのは、自宅の目の前の市道だった。松原さんは帰宅直前だったという。 25日、現場の道路脇には真っ白な花が供えられていた。産経新聞の取材に対し、松原さんの妻は「今日が通夜」とし「昔からこの道路に縁石なんてなかった。今すぐに夫を返してほしい」と涙ながらに話した。

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