「たばこの吸い殻に懸念」の声も 香港で大規模なマンション火災

香港で起きた大規模な火災。マンションの住民からは、現場で働く人たちのたばこの吸い殻を懸念していたという声もあがっています。 建物の上部から大きく噴き上がる炎。同時に、火の粉が地面へと降り注ぎます。必死の消火活動を、人々はただ呆然とした様子で見つめていました。 きのう、香港北部の大埔区で発生した高層マンションの火災。現場は高層マンション8棟が立ち並ぶ団地で、火が次々と燃え広がりました。 避難した住民 「外から『火事だ!逃げろ』という叫び声が聞こえたので、慌てて逃げだしました。猛烈な火でした、うちの家まで火が燃え移りました」 香港メディアによると、これまでに消防隊員1人を含む55人が死亡。 避難することができたマンションの住民は… 避難した住民 「この家を買って二十数年、すべてをかけて買った家なんです。この火事ですべて失った。どうすればいいのか」 「正直、いまの気持ちが自分でもよく分からない。とにかく一歩ずつ進むしかない。いま考えているのは、今後、どこで眠るかという事だけです。たぶん家には戻れないので」 なかには、妻と連絡が取れなくなっている人も… 妻と連絡が取れない住民 「火災発生時、彼女に逃げなさいと伝えました。しかし、部屋を出ると、階段は煙で充満し真っ暗だったので、仕方なく部屋に戻りました」 出火当時、マンションでは大規模な修繕工事のため、竹でできた足場が組まれていました。 伝統的な中国建築で広く使用されている竹の足場。消防は「足場から出火した」と説明していて、他の棟に火が燃え広がったとみています。 火災発生から一夜明けた、きょうも… 記者 「火災の発生から20時間以上がたちましたが、いまも部屋の中、火の手があがっています」 消防による懸命な消火活動が続けられています。 この火災に関連して、警察は工事業者の責任者3人を過失致死の疑いで逮捕したと発表。出火当時、マンションを覆っていた保護ネットが防火基準を満たしていない疑いがあり、「火が短時間で燃え広がった要因ではないか」という指摘もあるということです。 また、マンションの住民からは、現場で働く人たちがたばこを吸ったあと、吸い殻を捨てる行為が火災に繋がると懸念する声があがっていたとも報じられています。 出火原因はいまも分かっておらず、警察と消防が調査を進めています。

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