(CNN) 米国のトランプ大統領は11月30日、麻薬密売などの罪で米国で収監されているホンジュラス前大統領のフアン・エルナンデス受刑者について、有罪判決はバイデン前政権による「でっち上げ」だとして、エルナンデス氏に恩赦を与えるようホンジュラス側から求められたと明らかにした。 トランプ氏は、「どの国であれ、誰かが麻薬を売ったからといって、大統領を逮捕して終身刑に処するわけではない」と述べ、「彼らはバイデン政権のでっち上げだと言っている。バイデン政権のでっち上げだ」と語った。 トランプ氏は28日に、エルナンデス氏に「全面的な恩赦」を与える意向を初めて表明した。エルナンデス氏は昨年、麻薬密売などの罪で禁錮45年と800万ドル(現在のレートで約12億円)の罰金を米国の裁判所から言い渡されている。 検察は、エルナンデス氏が在任中、麻薬カルテルと共謀し、400トン以上のコカインをホンジュラスを経由して米国へ輸送したとして訴追した。検察によれば、見返りとして、同氏は数百万ドルの賄賂を受け取り、ホンジュラス国内での政治的影響力を高めるために使ったとされる。 トランプ氏の今回の発言は、米政権が最近、カリブ海での麻薬取引対策を掲げる中で出てきたものだ。その一環として、米国はベネズエラのマドゥロ大統領や政権関係者を外国テロ組織の構成員に指定し、マドゥロ氏を退陣させる圧力を強めてきた。 エルナンデス氏の訴追内容は、米政府によるマドゥロ氏への批判と類似している。