許可なくタクシー営業を行ういわゆる「白タク」行為に関与したとして、大阪の介護サービス会社の代表らが逮捕されたことがわかりました。 報告・下内寛人記者 「違法な白タク事業に関わった会社にいま警察が家宅捜索に入ります」 11月11日、大阪府警が家宅捜索に入ったのは、大阪市城東区にある介護サービス会社「SANSAN」です。 2日、この会社の代表、朱珊珊容疑者(43)ら7人が道路運送法違反の疑いで逮捕されました。 7人にかけられた容疑、それはーー。 「違法な白タク営業」 捜査関係者によりますと、朱容疑者らは2024年12月以降、国の許可がないのに、タクシー営業を行う「白タク」行為に関与した疑いがもたれています。 この会社では、介護が必要な人など限られた人を有償で乗せられるいわゆる「福祉タクシー」の車両を所有しています。しかし、朱容疑者はこれらの車両を「白タク」営業をする人物に運転させ、一般の観光客らを違法に乗せていたとみられています。 白タク行為は近年、外国人観光客の増加に伴い増えていて、問題となっています。 報告・属ちひろ記者 「こちら関西空港の一般車レーンですが、白タクと思われる車がずらりと並んでいます」 2024年1月に関西空港を取材した際も、「白タク」とみられる車に外国人観光客が続々と乗り込んでいました。 「観光客でしょうか、大きな荷物をたくさん持った人たちが車に近づいてきました。今男性が大きな荷物を台車から車の後ろに積み込んでいます」 記者 「これはタクシーですか」 観光客 「いえ、違います。私たちが予約した車です」 記者 「お金払って?」 観光客 「はい、そうです」 代金を払っているといいます。しかし、ドライバーを直撃すると… 記者 「タクシーですか?」 ドライバー 「タクシーじゃない」 記者 「じゃあ何ですか?」 ドライバー 「友達」 記者 「お金のやりとりは?」 ドライバー 「お金はもらってない」 記者 「(客は)お金払ったと言ってましたよ」 ドライバー 「…」 すると観光客の男性も― 観光客 「お金いらないんです。友達が予約してくれたので」 ドライバーに指示されたのでしょうか。 一転して代金を払ったことを否定しました。 白タク行為は、金銭のやりとりが確認できなければ犯罪としての特定が難しく、取り締まりが追い付いていないのが現状です。 正規のタクシー運転手はー。 「一般レーンで(白タクが客を) ふつうに乗せていく。気持ちのいいものではない」 警察は、この日逮捕した朱容疑者らの認否を明らかにしていませんが、白タク営業をしている人物から会社の車を利用させる見返りに現金をもらっていた可能性があるとみて、営業の実態を詳しく調べています。