【独自】「この野郎」「見とけよ、貴様」北九州・中学生2人殺傷事件から1年 捜査1課長(当時)が初めて語った犯人への憎しみと執念の捜査【前編】

1年前の12月14日、北九州市小倉南区のファストフード店で中学3年の男女2人が男に刃物で襲われる事件が発生した。 事件の捜査を指揮したのは橋本浩輔さん。 当時、福岡県警の捜査1課長だった。 休日の夜、橋本さんの電話が鳴った。 橋本浩輔さん(元福岡県警捜査1課長) 「小倉南区のファストフード店で連続殺傷事件があったと。被害者はどうも中学生みたいですよという報告がありました」 中学生。 男女。 そして、女性の方が予断を許さない──。 ※前・後編で掲載 ■県警本部へ向かう車中で聞いた訃報 「この野郎…」って思いました 橋本さんは慌てて県警本部へ向かった。 その道中、再び電話が鳴る。 橋本浩輔さん(元福岡県警捜査1課長) 「残念ながら中島咲彩さん(当時15)がお亡くなりになったという報告を受けました。やり場のない怒りといいますか。まぁ犯人に対してですけどね。心の中で本当、もう警察官辞めましたので本音で言いますけど『この野郎』って、やっぱり思いましたね」 15歳。 高校受験という最初の難関に挑む年齢だった。 橋本浩輔さん(元福岡県警捜査1課長) 「やっぱりこれからなんですよ、人生ですねその15歳のやっぱり男女に対してこういう暴挙に出たということで、やっぱりちょっと感情が先に立ちましたね」 橋本さん自身にも娘がいる。 人の子であり、人の親でもある。 ■遺体を前に涙――犯人への憎しみ「見とけよ、貴様」 橋本浩輔さん(元福岡県警捜査1課長) 「ご遺体と対面した時はやっぱり涙が出ましたね、本当」 刑事の世界には「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がある。 だが、この時は違った。 橋本浩輔さん(元福岡県警捜査1課長) 「正直言いましてこの時は憎みましたね、犯人のことをね。先ほども言いましたけど、やっぱり『この野郎』と思ったですね。『見とけよ、貴様』と思ったですね。やっぱり早く捕まえてやるという、やはり燃えましたね」 犯行形態を見れば、通り魔的だ。 次の事件があるかもしれない。 早期に犯人を割り出し、逮捕する。 決意はさらに固まった。

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