プレサンス事件の主任検事を不起訴 部下は「検察なめんな」で裁判に

大阪地検特捜部の業務上横領事件で無罪となった不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長・山岸忍さんが、特別公務員暴行陵虐などの疑いで告発した当時の捜査主任・蜂須賀三紀雄検事(53)=現神戸地検刑事部長=について、大阪高検は24日、不起訴処分(嫌疑なし)とした。 山岸さんは元部下らの供述を根拠に逮捕・起訴されたが、元部下を取り調べた田渕大輔検事(53)が「検察なめんな」などと怒鳴っていたことが録画映像で発覚。裁判所が問題視して自ら刑事裁判を開く異例の「付審判」にかけ、山岸さんはその「共犯」として、捜査を指揮していた蜂須賀検事を告発していた。 高検は「田渕検事が机をたたいたり怒鳴りつけたりするのを、蜂須賀検事が指示したり容認したりした事実は認められなかった」と説明。逮捕や起訴を強行する「特別公務員職権乱用」の容疑についても「無罪判決があったからといって直ちに違法となるわけではなく、逮捕や起訴の要件は満たしていた」とした。 山岸さんは「検察組織を守るための仲間びいきの決定だ。このような処分になることは予想していたが、『嫌疑なし』である具体的な説明がされておらず、非常識に感じる」とコメントした。(新谷千布美)

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