2020年首都高湾岸線で時速268キロで走行し夫婦2人を死亡させ危険運転致死罪に問われた男 法廷で猛スピード運転の“認識の甘さ”語る 横浜地裁

5年前、首都高湾岸線で時速268キロで走るポルシェに乗って乗用車に追突し、夫婦を死亡させた罪に問われた男の裁判。男は猛スピードを出して運転したことについて「それほど強く認識していなかったと思います」と述べました。 東京・江戸川区の彦田嘉之被告(56)は、2020年8月、川崎市の首都高湾岸線で高級車ポルシェを運転し、時速およそ200キロから268キロで走行し、内山仁さん(当時70)と妻の美由紀さん(当時63)が乗る乗用車に追突して2人を死亡させた罪に問われています。 彦田被告は過失運転致死の疑いで逮捕されたあと、他の車を妨害する目的でスピードを出して走行し事故を起こしたことと、猛スピードを出して車線変更をして車が制御できず事故を起こしたとして危険運転致死の罪で起訴されています。 初公判で彦田被告は車を運転し事故を起こしたことは認め「私の大幅な速度超過で大変な事故を起こしてしまい、申し訳ありません」と謝罪しました。 しかし、「制御困難な進行をしたことはありませんし、妨害目的で走行した事実はありません」と起訴内容を一部否認。弁護側も過失運転致死罪に留まると主張しています。 きょう横浜地裁で行われた被告人質問で彦田被告は事故当時、猛スピードを出していた理由について「コロナの影響で前方の交通量が経験がないくらい空いていて緩やかな下り坂だったので出してしまった」と述べました。 また、当時の状況については「車列はある程度の間隔を持って走っていた」「妨害目的があり得ない状況だった」と述べた他、「事故の0.1秒の間には車線変更はできませんし、不可能です」と述べました。 事故当時268キロが出ていたと指摘されていることについては「そのスピードで走っていた感覚はありません」と述べています。 一方、検察側の質問でこれまでにも制限速度を大幅に超える速度で走行したことがあるかと問われ、「5回か6回くらいあります」と話し、このときも200キロを超えていたかについては「超えていたと思います」と述べ、事故を起こした車で事故と同様のスピードを出すことを繰り返していたと明かしました。 最後に裁判長から200キロを超えるスピードで運転していた認識や危険について問われた彦田被告は「それほど強く認識していなかったです」「慢心していたと思います」と認識の甘さを漏らしています。 判決は来年1月に言い渡される予定です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする