ビリー・アイリッシュ、ICE批判投稿再共有に米DHSが反論

先週米ミネアポリスで発生した、米移民・税関執行局(ICE)による女性の射殺事件について、ビリー・アイリッシュがインスタグラム・ストーリーズで一連の投稿を再共有して同組織を“テロ組織”と呼んだことに米国土安全保障省(DHS)が反論した。 現地時間2026年1月9日に米ビルボードに寄せた声明で、DHSのトリシア・マクラフリン国土安全保障省次官補は、「明らかに、ビリー・アイリッシュは新たに公開された映像を見ていません。この映像は、当省がこれまで一貫して主張してきた内容、すなわち当該人物が法執行を妨害し、連邦法執行官を殺害または負傷させようとして車両を凶器として使用したことを裏付けるものです」と述べた。 マクラフリンは、現地時間1月7日の銃撃を捉えたX上の動画へのリンクを共有した。この映像は発砲した警官自身が撮影したものとみられ、後にジョナサン・ロスと特定されている。彼女はロスが、「自身の命、そして同僚取締官の命に危険を感じ、自衛として行動しました」と述べ、「米国民はこの映像を自分の目と耳で確認し、自ら判断することができます」と付け加えた。 この声明は、DHS、ドナルド・トランプ大統領、そしてJ.D.ヴァンス副大統領によるこれまでの発言を踏襲するもので、いずれもロスは自衛のために発砲したに過ぎないと主張している。ロスはミネソタ州でのICEの作戦中、車内にいた37歳のレネ・ニコール・グッドを射殺した。死亡の数秒前、グッドはその場から車で立ち去ろうとしていたことが当日の映像から確認できるが、DHSは彼女が車で警官を“ひき殺そうとした”と主張している。 マクラフリンは米ビルボードへの声明の中でICEの手順を擁護し、移民取締官に対する“車両突入の増加”が疑われる事案についての内部調査にも言及した。この調査は、ロスがグッドを射殺した翌日にDHSが公表したものだ。 「ICEは家族を引き裂くことはありません。親には、子どもと一緒に退去するかどうかを尋ねます。あるいは、親が指定した安全な人物のもとに子どもを預けます。これは過去の政権における移民取締と一致しています。ビリー・アイリッシュのような人々による“ゴミのようなレトリック”こそが、勇敢な法執行官に対する暴行を1300%、車両突入を3200%も増加させているのです」と彼女は述べている。 マクラフリンの反論以前、ビリー自身はミネアポリスで起きた出来事について直接コメントしていなかったが、現地時間の金曜日に他のクリエイターによる複数の投稿をストーリーズで共有した。そのうちの一つは、トランプ政権下で“家族を引き裂き、市民を恐怖に陥れ、今や無実の人々を殺害している、連邦政府が資金提供し支援するテロ組織”としてICEを非難する内容だった。 また別の投稿では米国に対して“ICEを廃止せよ”と呼びかけ、さらに別の投稿ではグッドを殺害したとしてロスを逮捕・起訴するよう議会の代表者に働きかけることを人々に促していた。 グッドが射殺される瞬間の映像に衝撃を受けたのはビリーだけではない。映像が共有されて以降、移民コミュニティに対するICEの取り締まりへの反発は激しさを増している。トランプ氏が再び大統領に就任してからの最初の1年を通じて同機関の行動は繰り返し批判にさらされてきた。これまでにも、オリヴィア・ロドリゴやタイラー・ザ・クリエイターらが、全米各地で行われている強制捜査を厳しく非難している。 グッドの死後、ミネアポリスの多くの住民が彼女を悼み、市内におけるICEの存在に抗議するため結集した。1月8日の記者会見では、ジェイコブ・フレイ市長も取締官たちに対し、「ミネアポリスから出て行け」と強い言葉で要求し、「これは権力を無謀に行使した結果、誰かが命を落とした、殺されたということだ」と述べた。 さらにその前日、ホワイトハウスの執務室での記者団との会合では、射殺の映像を見た後、トランプ大統領自身も正当化に苦しんだ様子だったとニューヨーク・タイムズは伝えている。再生後、大統領は、「ええと……私は……こう見ています……」と言葉を濁し、「見るのは本当にひどい。いや、見たくない」と語ったとされている。

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